境水道渡船

境水道渡船について

境水道渡船（さかいすいどうとせん）は、鳥取県境港市相生町の岸壁と島根県松江市美保関町の宇井岸壁を結ぶ重要な定期旅客船航路です。この航路は境水道を横断し、両県を結ぶ交通の要所であり、かつては地域住民や観光客にとって便利な移動手段となっていました。残念ながら、2007年3月末日をもって運行を休止し、事実上は廃止となりました。

概要

境水道渡船は、鳥取県道・島根県道2号境美保関線の一部を形成し、かつては境港市と松江市美保関町をつなぐ重要な役割を果たしていました。この航路は境水道大橋が開通する以前は、特に注目を集めており、境港市美保関町渡船事業組合によって運行されていました。

当時、2隻のフェリーが運行されており、特に混雑時には待ち時間が最大で1時間半に達することもありました。その後、有限会社境水道渡船が運営を引き継ぎ、2隻の船舶「たかお」と「第二たかお」で航行を行っていました。通常は「第二たかお」が使用され、多客時にはより大きな「たかお」が投入されていました。航行の頻度は1時間に2本から3本で、所要時間はおおよそ3分から5分程度でした。ただし、荒天時には運行が中止されることもありました。

料金に関しては、大人が200円、子供が100円、小さな荷物としての自転車は50円の料金が設定されていました。自転車に関しては、「第二たかお」での運行時には多客時に乗船を拒否される可能性があったため、注意が必要でした。

休止

航路の運営を行っていた有限会社境水道渡船は、2007年2月に新年度からの半期休航を運輸局に申請しました。その際、再開の予定は無いとされ、2007年3月末日をもって、境水道渡船は事実上の廃止に至りました。これに伴い、かつての渡し船の代替手段として、松江市美保関コミュニティバス（美保関町民バス）が設立されました。このバスは、境水道大橋を経由して境港市内と美保関町を結ぶ運行を行うことで、地域住民や観光客に対する交通の便を提供しています。宇井渡船場（宇井岸壁）はこのバスの美保関側の終点となっており、地域内での他の交通手段との乗り継ぎ場としての役割も果たしています。

このように、境水道渡船の運行停止によって新たな移動手段が供給され、地域内交通の利便性は維持されていますが、往年の渡し船の存在は多くの人々の心に残る思い出となっています。

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