増田次郎

増田 次郎の生涯

増田次郎（ますだ じろう、1868年3月19日 - 1951年1月14日）は、明治から昭和にかけて日本の実業界と政治の両方で抜群の影響力を持った人物です。静岡県出身で、父の意向で商人を志し、様々な職業を経て実業家としての道を歩むこととなりました。

前半生と政治家としての活動

増田次郎は、裕福な農家の次男として静岡の稲川村に生まれました。若い頃から父の意向で商業に従事し、奉公から様々な経験を積み、家庭の事情により帰郷した後、静岡市で印刷所を経営しました。この事業は大火に見舞われてしまいましたが、その後、政界に進出する機会を得ました。最初の政治的なキャリアは、知人の推薦により後藤新平の秘書官に任命されることからスタートしました。

次郎は1905年に後藤新平の秘書官となり、台灣総督府での任務を通じて政治の世界での地位を高めました。1906年からは満洲鉄道株式会社で活動し、その後も鉄道院の秘書課で働きました。1912年に衆議院議員に立候補し当選したものの、政治活動は短期間に終わりました。

実業家としての転身

増田はその後、実業家としてのキャリアを本格化させるために、後藤から福澤桃介を紹介されました。これが彼が電力事業に関与するきっかけとなりました。名古屋電灯をはじめ、様々な電力会社の役員を歴任し、電気事業の発展に寄与しました。

1921年には大同電力の設立に関与し、特に木曽川での水力発電所の開発に力を入れました。増田は大同電力の常務取締役となり、次第に会社の経営に不可欠な存在になっていきました。

1931年には経済危機の影響を受け、多くの課題に直面しましたが、その状況下でも会社の再建に尽力しました。1938年、電力管理法が施行されると、増田は日本発送電株式会社の初代総裁に任命され、電力国家管理の実現に貢献しました。

晩年と影響

日発の総裁としては、政府の指導のもとで様々な課題に直面しましたが、急激な物価上昇や発電の不足による困難を乗り越えました。1941年には台湾電力株式会社の社長に就任し、業務の運営に尽力しましたが、戦後は公職追放となり、その後解除されました。

増田次郎は、1951年に82歳で亡くなりました。彼の生涯は、日本の電力業界の形成や発展に寄与した実業家としての側面が強調され、その温厚な人柄も多くの人に愛されました。彼の人生は、試練と成功が交錯することで日本の経済界に大きな影響を与えたことに間違いありません。彼の遺した功績は、今日の日本の電力事業の基盤となっています。

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