増養殖研究所

増養殖研究所

増養殖研究所は、かつて国立研究開発法人水産研究・教育機構に存在した研究所の一つです。日本の水産業を支えるため、食料自給率の向上を目指し、養殖に関する様々な研究を行っていました。

概要

増養殖研究所（略称：増養殖研）では、主に以下の分野の研究開発が行われていました。

餌料・給餌法の開発: 養殖魚の成長を促進し、効率的な生産を可能にするための餌や給餌方法の研究。
病害の防除: 養殖魚の病気を防ぎ、被害を最小限に抑えるための研究。
育種: より優れた養殖魚の品種を開発するための研究。

これらの研究を通じて、日本の水産業の発展に貢献することを目指していました。

研究組織

増養殖研究所は、以下の5つの研究センターで構成されていました。

1. 魚病研究センター: 水産生物の病気や免疫に関する研究開発を行っていました。
2. 魚病診断・研修センター: 水産生物の疾病の診断と病原体同定法の開発、およびその普及に努めていました。
3. 育種研究センター: 水産生物の育種に関する研究開発を行っていました。
4. 養殖システム研究センター: 水産生物の栄養・飼餌料と飼養技術に関する研究開発を行っていました。
5. ウナギ種苗量産研究センター: ウナギ種苗の大量生産に関する研究開発を行っていました。

沿革

増養殖研究所は、長い歴史の中で様々な変遷を遂げてきました。

1906年: 宮内省御料局日光養魚場として発足。（現・日光庁舎）
1941年: 農林省水産試験場上田分室が設置。（現・上田庁舎）
1947年: 日光養魚場が林野庁に移管。
1949年: 水産庁淡水区水産研究所として発足。日光養魚場を水産庁に移管。
1953年: 淡水区水産研究所が東京都日野町に移転。水産庁真珠研究所を設立。
1955年: 真珠研究所に大村支所を開設。
1964年: 日光養魚場を淡水区水産研究所日光支所として編入。東海区水産研究所が荒崎庁舎を開設。（現・横須賀庁舎）
1967年: 淡水区水産研究所の相模湖支所を廃止。国営栽培漁業センターの志布志事業場を開設。（現・志布志庁舎）
1979年: 淡水区水産研究所と真珠研究所を母体とし、水産庁養殖研究所として開設。日光支所と大村支所を継承。
1984年: 本所を三重県南勢町に移転。（現・南勢庁舎）
1988年: 日本栽培漁業協会が南伊豆事業場を開設。（現・南伊豆庁舎）
1995年: 大村支所を廃止。
2001年: 独立行政法人化により水産総合研究センター養殖研究所となる。
2003年: 日本栽培漁業協会の統合により、上浦・古満目・南伊豆・志布志事業場は栽培漁業センターと改称。
2004年: 日光支所を中央水産研究所に移管。
2006年: 上浦・古満目栽培漁業センターを統合。
2011年: 中央水産研究所より日光庁舎、上田庁舎、横須賀庁舎を編入し、増養殖研究所に改組。南伊豆・志布志栽培漁業センターを統合。
2016年: 水産総合研究センターが水産大学校を統合し、国立研究開発法人水産研究・教育機構となる。日光庁舎、上田庁舎、横須賀庁舎を中央水産研究所に再移管。古満目庁舎を廃止。
2020年：水研機構の体制改革により、他の研究所とともに水産技術研究所および水産資源研究所へと改組。

長年にわたる研究活動を通じて、日本の養殖技術の発展に大きく貢献しました。

もう一度検索