壇場山古墳

壇場山古墳の概要

壇場山古墳（だんじょうざんこふん）は、兵庫県姫路市の御国野町国分寺に所在する古墳で、前方後円墳の形状を持ちます。この古墳は、兵庫県内では第3位の規模を誇るもので、特に中播磨・西播磨地域では最大サイズを誇っています。推定される築造時期は5世紀前半で、古墳時代中期に分類されます。壇場山古墳は国の史跡に指定されており、歴史的な価値が高いとされています。

立地と名称の由来

古墳は姫路市の東部、市川左岸の段丘に位置し、神功皇后が祈念のために壇を築いたという伝説が残っています。このため「壇場山」という名称が付けられました。現在までに踏査や測量などの調査は行われていますが、墳丘や埋葬施設に関しては未調査の状態です。

古墳の構造と特徴

壇場山古墳は前方後円形で、前方部が北西に向いています。墳丘は3段から成り、総長は約143メートルに及び、これは地域内で最大であり、兵庫県全体では5色塚古墳や雲部車塚古墳に次ぐ規模となります。この墳形は大阪府藤井寺市にある仲津山古墳とも似ています。

墳丘の外観には葺石が施され、円筒埴輪や様々な形状の形象埴輪が発見されています。また、墳丘の周囲には幅約10～20メートルの盾形の周濠が存在し、周庭帯も認められています。これに加え、埋葬施設として竜山石を用いた長持型石棺が直葬されていることが分かっています。後円部からは鉄製の鏃や刀剣が出土したとも伝えられています。

埋葬と文化的背景

埋葬された者の正確な身元は不明ですが、播磨国造に関連する人物であった可能性があります。壇場山古墳と雲部車塚古墳は、その規模や埋葬の点で類似しており、やがてヤマト王権と関係が深いことが示唆されています。古墳の築造に至るまでの経緯は、西播磨地域の輿塚古墳が先行し、その後中播磨の壇場山古墳へと勢力が移行し、最終的に山之越古墳へと受け継がれたと考えられています。

遺構と陪塚

壇場山古墳の周辺には約10基の陪塚が築かれたことが知られています。現存する陪塚としては、林堂東塚古墳と櫛之堂古墳が挙げられ、どちらも壇場山古墳の近くに位置しています。特に櫛之堂古墳は、長持型石棺が直葬されており、古墳の形成において重要な役割を持っていたことがわかります。

山之越古墳との関連

壇場山古墳の北西には山之越古墳があります。この古墳は方墳で、5世紀中頃に築造されたとされ、かつては壇場山古墳の陪塚と考えられていましたが、現在ではより重要な首長の墓という位置付けです。小規模ながらも古墳には様々な副葬品が含まれていたと伝えられます。

文化財としての評価

壇場山古墳は1921年に国の史跡として指定され、その価値は今もなお評価されています。古墳周辺は開発が進んでいる中で、歴史的な遺構は重要な文化財として保護されています。古代の製品や文化、埋葬様式についての理解を深めるための重要な手がかりとなるこの古墳は、今後の研究にも注目される対象です。

結論

壇場山古墳は、古墳時代の文化や当時の権力関係を知る上で欠かせない存在です。その大きさや形状、埋葬施設から見られる古代の技術や信仰を通じて、ひとつの地域がどのように統治・発展してきたのかを考察することは、日本史の理解を深める一助となるでしょう。

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