壬生綱重

壬生綱重の生涯と業績

壬生綱重（みぶ つなしげ）は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した武将であり、下野宇都宮氏の家臣として知られています。彼は下野国にある壬生城や鹿沼城を本拠地とし、壬生氏の二代目当主としてその地位を確立しました。

略歴

綱重は文安5年（1448年）、壬生胤業の子供としてこの世に生を受けました。彼の生涯の中で、特に主君である宇都宮忠綱の命令によって行われた鹿沼攻略が注目されています。この作戦の結果、彼は鹿沼の支配権を得て、鹿沼城を拠点とすることになりました。しかし、宗長の日記には、永正6年（1509年）にはすでに壬生氏が鹿沼地方に勢力を持っていたことが記されています。

このことから、綱重の死去までには、忠綱の父である宇都宮成綱が隠居の身であったにも関わらず、実質的な指揮権を行使していたことがうかがえます。彼の命のもと、鹿沼を攻略した可能性も考えられており、歴史的には複雑な面が伝わっています。また、『皆川正中録』では、壬生氏が鹿沼の支配者となった時期が大永3年（1523年）の河原田合戦以降であると記されており、これに関しても綱重が既に亡くなった後の出来事であったため、どちらの説が正しいのかは不明です。

永正6年（1509年）には、白河の関を訪れる連歌師・宗長が下野に立ち寄り、鹿沼の館で連歌会を開いた際、同年齢の綱重と親しく交流した様子が記録されています。永正9年（1512年）には、宇都宮成綱と芳賀高勝との間で宇都宮の内乱が発生しましたが、綱重は成綱と共にこの乱を鎮めるため尽力し、宇都宮氏の重臣としての地位をさらに高めました。

その後も綱重は地盤を広げ、日光山の支配権をも獲得するなど、権力を増強していきました。彼の死去は永正13年9月17日（1516年10月12日）であり、享年69歳でした。

その他の情報

また、『下野国誌』に記載されている情報によれば、綱重は大永3年（1532年）に没したとされ、この年中に坂田山に築城を行い、その名を鹿沼城としたとも伝わっています。これにより、壬生綱重の名は後代にも残ることとなりました。彼の人生は、戦国時代の武将の中でも特に興味深いものとして評価されています。

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