夏山八幡宮

夏山八幡宮

夏山八幡宮は、愛知県岡崎市夏山町に位置する神社で、特に10月に行われる勇壮な火祭りによって広く知られています。

概要

夏山八幡宮の創建は、531年（継体天皇25年）に天津日子根命を祀ったことに始まると伝えられています。その後、880年（元慶4年）には、応神天皇、市寸島比賣命、多岐都比賣神、住吉大神が合祀され、王宮八幡宮と称されるようになりました。時を経て、現在の夏山八幡宮という名に改められたとされています。

1872年（明治5年）10月3日には、近代社格制度に基づき郷社に列せられました。この神社は、額田郡の祖神を祀る神社としても重要な位置を占めています。

棟札について

夏山八幡宮には、880年（元慶4年）8月14日の日付が記された棟札が現存しています。この棟札は、神社の建立時期を示す貴重な史料とされています。日本最古の棟札は中尊寺に伝わる1122年（保安3年）のものとされていますが、文字が不明瞭であり、どの建物のものかは特定されていません。中尊寺金堂の1124年（天治元年）の棟札も知られていますが、年号だけを見れば夏山八幡宮の棟札の方が古いとされています。

戦前には、歴史学者の渡辺世祐によって夏山八幡宮の棟札の鑑定が行われましたが、年代の断定には至りませんでした。現在では、棟札の文面から同時代のものと確定することは難しいとされており、後代に書き写された可能性も指摘されています。この棟札は、1937年（昭和12年）に開催された名古屋汎太平洋平和博覧会にも出品され、多くの人々の目に触れました。

近年の動向

1894年（明治27年）には、一間社流造の本殿が建立されました。1935年（昭和10年）には神楽殿が建立され、地域の人々の信仰と文化の中心としての役割を担ってきました。

2012年（平成24年）10月20日には、新しい拝殿の竣工奉祝祭が盛大に執り行われました。これにより、夏山八幡宮は新たな歴史を刻み始めています。

夏山八幡宮火祭り

夏山八幡宮で毎年10月に行われる火祭りは、地域を代表する行事の一つです。五穀豊穣、無病息災を祈願し、氏子たちが勇壮な炎を操る姿は、見る者に深い感動を与えます。火祭りは、夏山八幡宮の信仰と文化を象徴する重要な神事となっています。

参考文献

『額田町史』額田町史編集委員会、1986年11月1日
『愛知縣額田郡誌（復刻版）』千秋社、2003年
『三河國額田郡誌（完）』愛知県額田郡役所、1924年（原本）

関連項目

岡崎市
夏山町
額田町
豊富村
栄枝村

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