外務公務員

外務公務員とは

外務公務員とは、日本の外交を担う特定の公務員を指し、外務公務員法に基づいて定義されています。具体的には、特命全権大使や特命全権公使、特派大使、政府代表、全権委員などがこの職に含まれます。また、外交的業務に関わる外務職員や、特派大使の代理・顧問として任命される者も外務公務員となります。加えて、沖縄の返還に関連した政府代表や万博に関する政府代表も外務公務員として扱われることがあります。

外務公務員の役割

外務公務員は、日本の国際的な立場を強化し、外交関係を構築・維持する重要な役割を果たします。彼らは国際的な会議や交渉に参加し、日本の国益を守るための政策を策定します。これにより、国際社会における日本の存在感を高めることが目的とされています。

欠格事由

外務公務員になるためには、いくつかの欠格事由が存在します。具体的には、以下のような条件に該当する者は外務公務員になることができません。
1. 重い刑罰の執行中の者: 禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで、または執行を受けなくなるまでの者。
2. 懲戒免職を受けた者: 懲戒免職の処分を受け、当該処分日から2年を経過していない者。
3. 人的な立場での違法行為者: 人事院の人事官または事務総長として国家公務員法に違反し、刑罰を受けた者。
4. 暴力団との関係者: 日本国憲法施行以後に政府の破壊を主張する団体に属する者。
5. 国籍要件を満たさない者: 日本国籍を有しない者や外国籍を持つ者。
6. 配偶者の国籍が問題となる者: 1996年9月30日までは、婚姻の際に配偶者が外国籍を持っている場合が外務公務員の欠格事由に含まれていました。
7. 成年後見人等に該当する者: 2019年6月13日までは成年被後見人や被保佐人が欠格事由となっていましたが、適格性を試験や面接で判断する制度の整備により、これらの条件は削除されました。

国会議員の起用

外務公務員法の第8条第5項により、国会議員が特派大使や全権委員、政府代表などに起用されることが可能です。ただし、被選挙権を持つ国会議員であっても、外務公務員の欠格条項に該当する場合はその役職については許可されないこととなっています。

このように外務公務員制度は、国の外交を支える重要な仕組みであり、選定に際して厳格な欠格基準が設けられています。国際社会における日本の立場を守るため、外務公務員は常に国益を念頭に置いて活動しています。

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