外国語放送

外国語放送について

外国語放送とは、主にある国に居住する外国人を対象とした、外国語による放送のことです。本稿では、日本の放送法における「外国語放送」について解説します。海外に住む人々を対象とした放送は国際放送と呼ばれ、区別されます。

概要

外国語放送は、日本国内においては、1945年に開始された在日米軍向けの放送（現在のAFN）がその始まりとされています。また、NHKラジオ第2放送などでは、番組の一環として外国語ニュースが放送されています。

基幹放送としての外国語放送

日本の放送法では、外国語放送は総務省令放送法施行規則別表第5号7において、「放送番組による基幹放送の区分(4）外国語放送」と規定されています。また、同規則（注）11では「外国語による放送を通じて国際交流に資する放送」と定義されています。

この制度は、1995年の阪神・淡路大震災において、英語以外の外国人への情報提供が不十分であったことを教訓として制度化されました。放送対象地域は、総務省告示基幹放送普及計画において、超短波放送（FM放送）を利用し、東京都特別区、名古屋市、大阪市、福岡市を中心とした地域として定められています。具体的な放送区域は総務省告示で決定されますが、他の民放FM局とは異なり、特別区や市、国際空港といった複数の都府県にまたがる広域を対象としている点が特徴です。

広範囲をカバーするために、小規模な中継局を多数設置するよりも、送信所の出力を高める方が効率的であるため、実質的に広域放送に近い形となっています。呼出符号（コールサイン）は「JO＊W-FM」で、他の民放FM局の「JO＊U-FM」または「JO＊V-FM」とは区別されています（＊は英字。ただし、中波放送局の中継局として使用されているものは除く）。

主な放送事業者と放送区域

現在、日本で外国語放送を行っている主な放送事業者は以下の通りです。

InterFM897: 東京都区部、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、成田国際空港
FM COCOLO（運営：FM802）: 大阪市、堺市、東大阪市、関西国際空港、神戸市、尼崎市、京都市、奈良市
ラブエフエム国際放送（LOVE FM）: 福岡市、北九州市、大牟田市、久留米市、佐賀市

これらの放送局は、バブル期以降に開局したものが多く、経営面では、スポンサーの獲得難や出資者の変更などにより、厳しい状況が続いています。

かつて存在した放送事業者

過去には、以下の放送事業者も存在していました。

愛知国際放送（Radio-i）: 名古屋市周辺を放送対象地域としていたが、廃局。
Radio NEO: 同様に名古屋市周辺を対象としていたが、こちらも廃局。

これら2局は、いずれも名古屋市周辺を放送エリアとしていましたが、相次いで廃局しています。

関連事項

MegaNet

脚注

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