外掛け(そとがけ)についての詳細
相撲における決まり手の一つである外掛けは、相手の片足を外側から掴み、その重心を崩すことで倒す技です。この技は
柔道では小外掛に相当し、
相撲技術の中でも特に注目されています。通常、上位力士が強引な投げ技を仕掛けてくる場面において、下位力士がこれを使うことで予想外の勝利を収めることが時折あります。
外掛けの特徴
外掛けは単に相手の足を絡める技ではなく、技術的な深みがあります。相手の体を開かずに腕の力だけで投げる動作が求められ、これがこの技の決定的な魅力です。そのため、高いレベルの戦術として多くの力士に利用されています。この技が成功した際には、観客や解説者にとって驚きの瞬間となります。
歴史的な試合
外掛けが際立って成功した一例として1949年の試合があります。この試合では、大
横綱・双葉山が長期間にわたって無敵の記録を保持していましたが、
前頭3枚目の新鋭・安藝ノ海節男との対戦で、この技により敗北を喫しました。安藝ノ海は頭を下げてしっかりと抵抗し、相手の腰が高い状態で持ち込まれた瞬間に左外掛けが決まったのです。この試合は「世紀の一番」として今でも語り継がれています。
他にも、
1980年には
関脇・増位山が
横綱・輪島に対し左外掛けで勝利するという波乱の一番があり、外掛けの効果を再確認させるものでした。
指導方針と意見
一方で、外掛けにはリスクも伴います。元幕内力士の佐渡ヶ嶽は、自ら主宰する道場においてこの技を「禁じ手」とし、ケガの危険性を強調しました。
相撲の安全性には注意が必要ですが、これに対して別の立場である笠置山は「自然の行為を止めることこそが問題」と主張し、受け身の技術向上を提案しています。このような意見の対立は、外掛けについての理解をさらに深める要素となっています。
外掛けを得意とする力士
外掛けを得意とする力士も多く存在します。例えば、安美錦はこの技を駆使し、
横綱・朝青龍および白鵬に勝利しています。また、豪栄道や佐田の海もこの技の使い手として知られています。彼らはその引き技と戦略によって、相手に対する効果的なカウンターとして外掛けを利用しました。
まとめ
以上のように、
相撲の外掛けは技術的な深み、歴史的な意義、そして各力士による活用方法が独特な魅力を持っています。この技は、
相撲の面白さや戦術性を象徴する存在と言えるでしょう。
相撲ファンにとって、外掛けを理解し、その影響を把握することは、より深くこのスポーツを楽しむための重要な要素です。外掛けを実行する際の技術とリスクをしっかりと理解し、安全に実践することが求められます。