外襷反り

外襷反り（そとたすきぞり）とは

外襷反りとは、相撲の決まり手の一つです。片手で相手の差手の肘を掴み、もう一方の手で相手の手の上を通して、相手の足を内側から掬い上げて後ろに反り倒すという、非常に珍しい技です。

幻の決まり手

1960年1月に決まり手が制定されて以降、なんと関取のみならず幕下以下まで含めても、一度も適用されたことがありません。そのため、現代相撲においては「幻の決まり手」と言えるでしょう。

過去の事例

決まり手制定以前まで遡れば、1944年1月場所において、幕下時代の栃錦が外襷反りを決めています。栃錦のような名力士ですら幕下時代に決めたのみという、非常に難易度の高い技であることが伺えます。

昔の呼称

大正時代の資料では、当決まり手は単に「外襷（そとだすき）」と呼ばれていました。現在では、外襷という言葉自体が相撲用語として使われることはほとんどありません。

猫騙しとの関係

昭和30年代半ばまでは、「猫騙し」という言葉は、現在のように立ち合いで手を叩く行為ではなく、外襷反りのことを指していました。言葉の意味が時代とともに変化した、興味深い例と言えるでしょう。

外襷反りの難易度

外襷反りが現代相撲で全く見られないのは、以下の要因が考えられます。

体格の変化: 現代の力士は体格が大型化しており、相手を反り倒すこと自体が困難になっている。
技術の高度化: 相撲の技術が高度化し、相手に技を仕掛けさせない防御技術が発達している。
リスクの高さ: 外襷反りは、失敗すると自分が体勢を崩し、大きな隙を作ってしまうリスクがある。

これらの要因が複合的に作用し、外襷反りは現代相撲において、非常に難しい決まり手となっていると考えられます。

まとめ

外襷反りは、相撲の歴史の中で一度しか記録されていない、非常に珍しい決まり手です。現代相撲においては、その難易度の高さから、まず見ることができません。しかし、過去には栃錦のような名力士が決めたこともある、由緒ある技でもあります。いつの日か、再び外襷反りが土俵で見られる日が来るのでしょうか。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
襷反り

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