多川俊映

多川俊映とは

多川俊映（たがわ しゅんえい、1947年3月6日生まれ）は、法相宗の著名な僧侶であり、現在興福寺の寺務老院の責任役員や菩提院の住職を務めています。また、帝塚山大学の特別客員教授としても活躍しています。彼は日本の仏教界において重要な役割を果たし、多方面にわたる研究や文化活動を行っています。

略歴

彼は奈良県奈良市に生まれ、1969年に立命館大学の文学部哲学科心理学専攻を卒業し、入寺しました。その後、執事や副住職としての経験を経て、1989年には興福寺の貫首に就任しました。この役職は彼の退任までの約30年間続き、その間に法相宗の管長としても務めました。特に中金堂の再建など、伽藍の復興に向けた積極的な取り組みが評価されています。

貢献と研究

貫首退任後も多川は責任役員としての役割を持ち続け、境内の整備や仏教関連の事業に貢献しています。法相宗の理論である唯識の研究を通じて彼は執筆と講演活動にも取り組み、その成果は多くの人々に影響を与えています。また、能や詩、音楽といった文化にも興味を持ち、幅広い分野での交流を深めています。

特に彼の友人である免疫学者、多田富雄氏との関係は注目されています。多田氏が脳梗塞の後遺症に苦しむ中で、電子メールを通じた会話が行われ、これが朝日新聞において「いのちと死と能と」と題して公表されました。このように、彼は医学や哲学、アートといった異なる分野の方々との交流を通して、仏教の教えをより多くの人に伝える努力をしています。

著書と共著

多川は著作において多くの専門的な作品を出版しています。主な著書には『唯識十章』や『観音仏教のこころ』、『いのちと仏教』などがあり、唯識や観音に関する研究成果を一般に広く伝えています。彼の著書は、多くの人々に仏教の理解を深める手助けとなっています。

また、彼は複数の共著や監修を手掛けており、特に興福寺に関する文献に携わることによって、その歴史と文化の理解を促進しています。2018年には301年ぶりの中金堂再建に伴い、関連書籍の改訂版も発行されました。

おわりに

多川俊映は、奈良の地で文化や宗教の発展に貢献する重要な僧侶ではなくその活動は今後も続いていくことでしょう。彼の著作や講演を通じて、多くの人々が仏教の深い教えに触れられることを期待しています。

もう一度検索