多摩百山

多摩百山について

多摩百山は、日本山岳会東京多摩支部が設立5周年を記念して、奥多摩山域から選定した100の山々です。選定基準は、標高、三角点の有無、歴史や文化との関連性、山の姿や佇まい、展望の良さ、植生、ジャンクションピーク、そして山名など多岐にわたります。これらの山々は、多摩地域の豊かな自然と歴史を象徴する存在として、多くの登山者に親しまれています。

多摩百山と『多摩100山』

多摩百山とは別に、守屋龍男氏が2003年に発表した『多摩100山』も存在します。これらの山々は、一部重複しているものの、それぞれ独自の視点で選定されており、多摩地域の山の多様性を物語っています。

多摩百山45コース

日本山岳会東京多摩支部は、多摩百山の全山を日帰りで踏破できるよう、45のコースを設定しました。これらのコースは、都心からのアクセスも良く、初心者から経験豊富な登山者まで、それぞれのレベルに合わせて楽しむことができます。

人気コースの紹介

関東ふれあいの道“鳥のみち”（高尾山コース）

年間260万人が訪れる人気の高尾山を含むコースは、整備が行き届いており、誰でも気軽に登山を楽しめます。トイレや売店も充実しており、1時間以内にバス停に下山できるため、初心者にもおすすめです。

コース41：小仏峠から景信山(727.3m)、堂所山(731m)を経て陣馬山(855m)に至るコース
コース38：高尾山口駅から稲荷山コースで高尾山に登り、小仏城山を経由して小仏峠へ至るコース

この二つのコースは、関東ふれあいの道“鳥のみち”の一部であり、高尾山口駅から高尾山、城山、小仏峠、景信山、陣馬山、和田峠を経て陣馬高原下まで続く、全長19.4km、所要時間6時間55分のコースを分割したものです。

関東ふれあいの道“湖のみち”（高尾山南陵コース）

大垂水峠から大洞山(536m)、草戸山(364m)を経由して高尾山口駅に至るコースは、関東ふれあいの道の出発点です。このルートは“湖のみち”と呼ばれ、梅ノ木平、三沢峠、大洞山、大垂水峠、一丁平、高尾山、高尾山口駅を結ぶ全長16.2km、所要時間5時間35分のコースです。また、大垂水峠から城山に登らずに南高尾セブンサミッツと呼ばれる縦走コースもあります。

八王子八峰登山大会ルート/ハセツネCUP（今熊山コース）

今熊神社から今熊山(505m)、豆佐嵐山（ずさわらしさん）(648m)、刈寄山(687.1m)を経て沢戸橋に至るコースは、気軽なハイキングコースとして人気です。今熊山登山口バス停から今熊山、刈寄山を経て、豆佐嵐山に立ち寄り、沢戸橋まで足を延ばすことができます。

関東ふれあいの道“富士見の道”（生藤山コース）

軍刀利神社(標高598.2m)から、熊倉山(966m)、軍刀利山(950m)、三国山（生藤山）などの1000メートル近い山々に一気に登れるコースは、都心から手軽にハイキングを楽しめる場所として人気があります。天候に恵まれれば富士山を望むことができ、静かな山旅を楽しめます。

コース33：三国山 (960m)から[生藤山]、醍醐丸(867ｍ)を経て、和田峠、陣馬高原下に至る縦走コースは、関東ふれあいの道“富士見のみち”と同じ設定です。高尾駅からバスで陣馬高原下まで行き、和田峠、醍醐丸、生藤山、熊倉山、浅間峠を経由して上川乗バス停に下山するコースです。和田峠から富士見の道の最短コースは、最高峰茅丸と連行峰に的を絞り、醍醐丸と生藤山を巻き、三国山の女坂から軍刀利神社奥の院を経て井戸バス停に下山するルートもあります。

安全な登山のために

登山は自然を楽しむ素晴らしいアクティビティですが、事故のリスクも伴います。警察庁の発表によると、東京都内でも山岳遭難事故が多数発生しており、死亡や負傷者が出ています。登山前には、十分な下調べを行い、自分の体力に見合った計画を立てることが大切です。

沢登りについて

軍刀利神社元社のある軍刀利山には、軍刀利沢という沢があり、小規模な渓谷になっています。この沢は、かつて修験道の修行の場であった場所で、今もなお、高尾山の蛇瀧や琵琶瀧のように、多くの修行者が訪れる場所となっています。沢登りをする際は、十分な装備と経験が必要です。

参考資料

日本山岳会東京多摩支部公式サイト
環境庁資料、警察庁統計資料
高尾マガジン資料

関連情報

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