多治比水守

多治比水守について

多治比水守（たじひ の みずもり）は、飛鳥時代から奈良時代にかけての日本の貴族であり、左大臣・多治比嶋の子です。彼はその政治的な経歴や地位によって、当時の日本の政界において重要な役割を果たしました。水守が生きていた時代は、日本史の中でも特に変革の多い時期であり、彼の官歴はその背景を色濃く反映しています。

経歴の概要

水守の経歴は、705年頃から始まります。大宝2年（702年）に尾張守として任務を遂行していた際、文武天皇の行幸がありました。このとき、彼には封戸10戸が与えられたのですが、この時点での位階は従五位下という低いものでした。しかし、彼はその後も順調に昇進を遂げることになります。

その後、水守は数回にわたって尾張守に再任され、さらには河内守や近江守など、さまざまな地方官を歴任します。彼の名前は文武朝から元明朝にかけての記録に登場し、和銅2年（709年）には遂に従四位下に昇進しました。この昇進は、国司としての統治の功績が認められた結果であったと考えられています。

行政監察と功績

和銅2年には、藤原房前による東海および東山道の行政監察が行われました。水守はこの際、国司としてその業務を全うし、その成果として田10町、穀物200斛、さらには衣類1襲が与えられました。これらの賞は、当時の貴族にとって大きな名誉であり、彼の行政能力が高く評価された証と言えるでしょう。

最後の官位と死

和銅3年（710年）には、ついに宮内卿に任命され、京官に遷ることとなります。この時点で、彼の官位は従四位下としての地位を得ており、名実ともに高い地位に達しました。しかし、彼の政治キャリアは長く続くことはありませんでした。和銅4年（711年）の4月15日に彼は亡くなり、最終的な官位は宮内卿、従四位下ということになります。彼の死は、その後の政治情勢にどのような影響を与えたのかは不明ですが、彼が果たした役割は無視できないものでした。

官歴の詳細

以下に、水守の官歴を示します。

• - 大宝2年（702年）以前：従五位下、尾張守
• - 大宝3年（703年）7月5日：尾張守再任
• - 時期不詳：正五位下
• - 慶雲4年（707年）5月8日：河内守
• - 和銅元年（708年）3月13日：近江守
• - 和銅2年（709年）正月9日：従四位下
• - 和銅3年（710年）4月23日：宮内卿
• - 和銅4年（711年）4月15日：卒去（宮内卿、従四位下）

このように、多治比水守は当時の社会の中で重要な貴族として位置付けられ、その業績は後世にわたって評価されています。

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