多磨駅

多磨駅：歴史と変貌を遂げた多摩川線の駅

多磨駅は、東京都府中市紅葉丘に位置する西武鉄道多摩川線の駅です。副駅名として東京外国語大学前を冠しており、駅番号はSW03となっています。静かな住宅街に佇むこの駅は、長い歴史と幾度かの改修を経て、現在の姿へと進化を遂げました。

多磨駅の歩み：墓地から大学街へ

1929年、多磨駅は「多磨墓地前駅」として開業しました。駅名の由来は、駅周辺にあった多磨墓地（現在の多磨霊園）にちなみます。その後、1988年には新駅舎が完成。時代とともに変化を遂げ、2001年には現在の「多磨駅」へと改称されました。この改称には、近隣に東京外国語大学が移転してきたことが大きく影響しています。大学側の駅名変更要望は実現しませんでしたが、副駅名に「東京外国語大学前」が加えられ、地域住民の利便性向上に貢献しました。さらに、多磨駅の改称に伴い、南西側に位置する北多磨駅は白糸台駅と改名されています。

2018年には、橋上駅舎化と自由通路整備事業が発表され、2020年に完了。この事業により、バリアフリー化の推進や、より快適な駅空間の提供を実現しました。工事期間中は、ホームの統合や構内踏切の廃止などが行われ、利用者には一時的な不便を強いる場面もありましたが、2020年12月には、新しい橋上駅舎が供用開始されました。このリニューアルによって、自動改札機が導入され、利便性が向上しています。

駅構造と周辺環境

現在の多磨駅は、単式ホーム1面1線の橋上駅です。駅舎は是政寄りに位置し、西口と東口、改札階とホーム階は階段、エスカレーター、エレベーターで繋がるバリアフリー設計となっています。東口にはバスロータリーがあり、京王バス、小田急バス、府中市コミュニティバス「ちゅうバス」が発着し、周辺地域へのアクセスも良好です。

駅周辺は住宅地が広がり、落ち着いた雰囲気です。比較的新しい南北の道路は広く整備されていますが、古い街道は狭く、拡幅整備の必要性が指摘されています。一方で、東京外国語大学を始め、警視庁警察学校、警察大学校、武蔵野の森公園などの大規模施設も近隣にあり、多様な表情を持つ地域です。調布飛行場にも近いと誤解されがちですが、実際には京王線西調布駅の方が近いです。

多磨駅の利用状況と将来展望

2023年度の多磨駅の1日平均乗降人員は約12,371人です。西武鉄道全92駅の中では中程度の利用者数ですが、多摩川線内では武蔵境駅に次ぐ規模を誇ります。今後も、周辺地域の開発や大学の更なる発展に伴い、利用者数の増加が見込まれます。

まとめ

多磨駅は、長い歴史の中で幾度もの変化を遂げ、現在ではバリアフリーにも配慮した快適な駅へと生まれ変わりました。周辺環境の変化にも柔軟に対応し、地域住民にとってなくてはならない存在として、その役割を担い続けています。今後も、利用者の利便性向上に向けた取り組みが期待されます。

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