ちゅうバス

府中市コミュニティバス「ちゅうバス」

「ちゅうバス」は、東京都府中市が運行するコミュニティバスです。府中市内を網羅する5路線7ルートで運行されており、府中駅を中心に、市内の各駅や公共施設、住宅地などを結んでいます。全路線、京王バス府中営業所が運行を受託しています。

概要

「ちゅうバス」という名称は、府中市の「中（ちゅう）」という文字と、ネズミのように小回りが利くイメージから名付けられました。シンボルマークには、ピンク色のネズミのキャラクター「ちゅう太」が採用され、バス停留所や公式サイトにも描かれています。「ちゅう太」の足は車輪で、体の側面には窓があり、ネズミ型のバスを模したデザインとなっています。尻尾が葉の形をしているのは、府中市の「緑の府中」というテーマを意識したものです。

「ちゅう太」のイラストは、バス車体にラッピングされたり、専用カラーの中型車が使用される是政循環では、行先表示LEDにも表示されています。キャッチフレーズは「Community bus in Heartful and Useful」（優しさと利便性をもつコミュニティバス）で、親しみやすい地域交通としての役割を担っています。

運行開始当初は、環境に配慮して圧縮天然ガスを燃料とするCNG車も使用されていましたが、新型ノンステップバスへの代替が進み、現在は全廃されています。

運行担当事業者

京王グループのバス事業再編に伴い、運行事業者が変更となっています。

京王電鉄バス府中営業所
京王バス中央府中営業所
京王バス府中営業所

沿革

「ちゅうバス」は、2003年12月1日に4路線で運行を開始しました。しかし、そのルーツは1997年に府中市が小型バス2台を寄贈して運行開始したミニバス路線、府31系統にあります。

2003年 開業

2003年12月1日、以下の4路線で運行を開始しました。

多磨町ルート: 府中駅から北東方面へ、東府中駅を経由し多磨町へ至る。
是政循環: 府中駅から南東方面へ、是政駅を経由して循環する。
北山町循環: 府中駅から北西方面を循環する。
南町・四谷循環: 府中駅から南西方面へ、中河原駅を経由して循環する。

2008年 押立町・朝日町循環新設

2008年3月25日、府中駅より武蔵野台駅南口方面への押立町・朝日町循環が新設されました。

押立町ルート: 府中駅から東南東方面へ、競艇場前駅を経由し武蔵野台駅へ至る。
朝日町ルート: 府中駅から東方面へ、東府中駅・武蔵野台駅を経由し多磨駅へ至る。

この路線は、京王バスの一般路線バス府31系統を再編したもので、同日をもって府31系統は廃止されました。府31系統は、1997年に交通不便地域の解消を目的として、府中市が京王帝都電鉄（当時）にミニバス2台を寄贈して運行開始した路線でした。

2010年 四谷六丁目ルート新設

2010年3月29日、中河原駅より北西方面を循環する南町・四谷循環 四谷六丁目ルートが運行開始しました。府中駅周辺を経由しない初の路線ですが、一部重複区間があるため「南町・四谷循環」に加えられています。

四谷六丁目ルートの新設に伴い、従来の南町・四谷循環は南町・四谷循環 よつや苑西ルートに名称が変更され、中河原駅での無料乗継券の扱いが開始されました。これにより、南町・四谷循環は1路線2ルートとなり、ちゅうバス全体では5路線7ルートとなりました。

その後

その後も、ダイヤ改正や経路変更が行われ、2020年10月1日には、京王電鉄バスの子会社3社が合併したことにより、運行事業者の名称が「京王バス府中営業所」に変更されました。

運行内容

運賃・割引制度

ちゅうバスの運賃は、全線均一で1乗車100円です。大人・子供同額で、未就学児は無料です。乗車時に運賃を支払う前乗り後降り方式となっています。

2018年4月1日より、PASMO・Suicaなどの交通系ICカードが利用可能になりました。東京都シルバーパスや各種障害者手帳提示による割引制度はありません。

ちゅうバス専用の回数券が販売されており、21枚つづり2000円で100円分割引となっています。専用の定期券や一日乗車券はありません。

無料乗継制度

以下の路線では、接続駅の指定停留所に限り無料乗継が可能です。

武蔵野台駅南口：押立町・朝日町循環
中河原駅：南町・四谷循環

乗継の際は、降車時に乗務員から乗継券を受け取り、乗り継ぎ後のバスで乗務員に渡します。指定停留所以外での乗継はできません。

現行路線

多磨町ルート

府中駅と多磨町を結ぶ片道運行の路線です。多磨霊園、府中の森芸術劇場、府中の森公園などの近辺を走行します。

ルート: 府中駅 - (中央文化センター / ルミエール府中) - 富士見通り東 - 府中市美術館 - 府中の森公園 - 芸術劇場 - 東府中駅 - 府中工業高校 - 人見街道入口 - 多磨霊園表門 - 多磨町
所要時間: 約30分（片道）
運転間隔: 30分

是政循環

府中駅と是政駅の間を循環する路線です。東京競馬場、多摩川競艇場などの近辺を走行します。この路線のみ、専用カラーの中型車で運行されています。

ルート: 府中駅 - (府中町二丁目) - 競馬場正門通り - 競馬博物館 - 清水が丘二丁目 - 是政一丁目 - (中央道府中バス停下) - 鶴巻公園 - (是政五丁目) - 是政駅
所要時間: 約35分（循環）
運転間隔: 30分

北山町循環

市内北西部の北山町、西原町などを経由する循環路線です。分倍河原駅、美好町、本宿町などの近辺を走行します。一部区間は狭隘路のため、交通警備員が誘導を行っています。

ルート: 府中駅 - 市役所西 - 分倍河原駅 - 美好町二丁目 - 東芝南門 - 本宿小学校 - 西原町 - (第七小学校正門 / 武蔵台文化センター西) - 北山町四丁目
所要時間: 約56分（循環）
運転間隔: 30分

南町・四谷循環

市内南西部の南町・四谷地区を循環する路線で、以下の2つのルートがあります。

よつや苑西ルート: 府中駅発着で中河原駅を経由し、よつや苑西方面を循環します。府中本町駅、分倍河原駅、府中市郷土の森博物館などの近辺を経由します。
四谷六丁目ルート: 中河原駅発着で、四谷六丁目地区を循環します。府中駅は経由しません。一部区間は京王バスの一般路線バスと重複しています。

中河原駅では、無料乗継制度が利用できます。

よつや苑西ルート

ルート: 府中駅 - 府中市役所 - 本町二丁目 - 分倍河原駅 - 武蔵府中税務署 - 中央道下 - 郷土の森西 - 中河原駅 - (稲荷神社 - 四谷駐在所西 - 四谷三丁目西 / 四谷一丁目 - 四谷三丁目) - よつや苑西
所要時間: 約96分（循環）
運転間隔: 30分

四谷六丁目ルート

ルート: 中河原駅 - (日新小学校 / 稲荷神社 - 三屋) - 四谷六丁目
所要時間: 約27分（循環）
運転間隔: 30分

押立町・朝日町循環

市内東部と府中駅を結ぶ路線で、以下の2つのルートがあります。

押立町ルート: 府中駅から武蔵野台駅南口へ向かう片道運行のルートです。
朝日町ルート: 府中駅から多磨駅東口へ向かう片道運行のルートです。

武蔵野台駅で乗継が可能です。

押立町ルート

ルート: 府中駅 - (府中町二丁目) - 競馬場正門通り - 競馬博物館 - 清水が丘二丁目 - 小柳町二丁目 - 小柳公園 - 競艇場前駅南口 - 小柳公園 - 押立町西公園 - 府中東高校 - 車返団地 - 武蔵野台駅南口
所要時間: 約36分（片道）
運転間隔: 30分

朝日町ルート

ルート: 府中駅 - (府中町二丁目) - 八幡宿東 - 八幡町二丁目 - 東府中駅 - 若松町一丁目西 - 多磨霊園駅入口 - 白糸台三丁目 - 武蔵野台駅南口 - 白糸台三丁目 - 榊原記念病院 - 白糸台 - (警察学校) - 朝日町 - 警察大学校 - 東京外国語大学前 - 多磨駅東口
所要時間: 約30分（片道）
運転間隔: 30分

車両

ちゅうバスの車両は、「緑の府中」を表現した緑色の専用カラーで運行されています。

現行車両

日野・ポンチョ: 小型ノンステップバス（2ドアロングボディ）。
日野・レインボーII: 中型ノンステップバス（是政循環専用）。

過去の車両

日野・リエッセ: 小型ステップリフトバス（CNG車・ディーゼル車）。

運行開始当初は、日野・リエッセが導入され、環境に配慮したCNG車も使用されていました。その後、バリアフリー対応のノンステップバスとして、日野・ポンチョが導入され、リエッセは順次代替されました。

是政循環では、中型路線バスである日野・レインボーIIが専用車両として導入されています。

その他

ちゅうバスは、府中市民の生活を支える重要な足として、地域に密着した運行を続けています。

関連項目

府中市 ([[東京都)]]
京王バス府中営業所
ぶんバス・CoCoバス
フラットフィールド
コミュニティバス

外部リンク

* ちゅうバスについて 府中市公式Webサイト

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