多良木町

多良木町：九州山地の歴史と自然に抱かれた町

熊本県南部、球磨郡に位置する多良木町は、熊本市から南東へ約100kmの場所に広がる、自然豊かな町です。町域の多くは九州山地に属し、山林に覆われた景観が広がっています。一方で、町の中心部は人吉盆地の一部にあたり、比較的平坦な地形となっています。球磨川が町域中央部を東西に流れ、地域に潤いを与えています。

地理と歴史

多良木町の南東部は宮崎県と接しており、隣接市町村には、球磨郡のあさぎり町、相良村、五木村、水上村、湯前町、そして宮崎県の西米良村、小林市があります。

この地には縄文時代から人が住み着いており、長い歴史を刻んできました。鎌倉時代初期には、遠江国の相良氏一族が支配下に置きましたが、その後、勢力争いの結果、別の相良氏一族の傘下に入りました。

昭和20年代には、木材業が盛んになり、人口は2万人を超えました。全国から木材買い付け人が集まり、町は活気に満ち溢れ、多くの料亭や旅館が栄えました。しかし、その後木材不況に見舞われ、林業は衰退しました。

近現代と行政

1889年の町村制施行により、現在の多良木町は多良木村、黒肥地村、久米村、槻木村として発足しました。その後、合併を経て1955年に現在の多良木町が誕生しました。

町の行政は、町長と12人の町議会議員によって運営されています。警察は多良木警察署が管轄し、黒肥地駐在所と久米駐在所が設置されています。消防は上球磨消防組合上球磨消防署が担当しています。

教育と交通

教育機関としては、熊本県立多良木高等学校、多良木中学校、多良木小学校、久米小学校、槻木小学校、黒肥地小学校、そして休校中の宮ヶ野小学校があります。また、熊本県立球磨支援学校も町内にあります。

交通アクセスは、最寄り空港が鹿児島空港です。鉄道はくま川鉄道が通っており、公立病院前駅、多良木駅、東多良木駅、新鶴羽駅が利用できます。バス路線は、産交バスが人吉市から水上村までを結んでいます。道路は、九州自動車道人吉インターチェンジが最寄りです。国道219号をはじめ、多くの県道が町内を通っています。

観光と文化

多良木町には、多良木町えびすの湯、青蓮寺阿弥陀堂、太田家住宅などの観光スポットがあります。2010年には、JR九州からブルートレイン「はやぶさ」の車両を譲り受け、簡易宿泊施設として活用されています。百太郎溝などの自然も魅力です。

著名な出身者には、高見圭司氏、市来竜夫氏、野田浩司氏、力真樹氏らがいます。

多良木町は、歴史と自然、そして現代の取り組みが融合した、魅力的な町です。豊かな自然に囲まれた環境、歴史的建造物、そしてブルートレインを活用した観光資源など、訪れる人を魅了する要素が満載です。

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