夜の赤塚不二夫

『夜の赤塚不二夫』

『夜の赤塚不二夫』は、著名な漫画家赤塚不二夫の未発表作品を集めた単行本です。2021年7月28日に発行された本書は、オンデマンド版「赤塚不二夫漫画大全集」や電子書籍シリーズにも収録されなかった全18タイトルが初めて登場しました。赤塚の隠れた名作「幻の赤塚漫画」の数々に光を当てる一冊となっています。

概要

本書は、なりなれ社によって発行され、星雲社から発売されています。企画はフジオ・プロダクションが手掛け、近年まで存在を知られていなかった作品が多数収録されています。特に、1986年から1987年にかけて大衆雑誌『話のチャンネル』に連載された異色作『花ちゃん寝る』が特色です。この作品は、「スナック」と「恋愛」をテーマにしたギャグ漫画であり、赤塚が漫画家としての再起を果たそうと奮闘していた時期に描かれました。

『花ちゃん寝る』は全13話からなり、赤塚の個性的なユーモアとスタイルが随所に見られます。特に第10話は、「奇跡的に発掘された」という原稿コピーを基に再現されており、赤塚の手書きの台詞が使用されています。このような背景からも、本書が如何に貴重な作品集であるかが伺えます。実際、国立国会図書館には５話分しか保存されていなかったため、その存在は長年幻とされていました。

収録作品

本書には、以下の作品が含まれています。

• - 夜の赤塚不二夫

- 花ちゃん寝る（全13話）

• - 大人の赤塚不二夫（幻の短編セレクション）

- モトムくん（全2話）
- イレズミ作戦
- ナンカナイト物語
- トラベ郎（全12話）
- 赤塚不字夫のギャグ漫字
- 愛情レストラン
- ウナギイヌ（全8話）
- 仲良き事は美しき哉
- 西暦2000年の生活風景
- 合点だい！
- 愛しのモンローちゃん
- たまごっちなのだ！！
- 昭和よっぱらい研究所
- ニャロメ
- 用心棒
- イヤミの敬老の日
- お正月ざんす（下書き原稿、別アイデア『おめでたいのだ』含む）

印象に残るのは、赤塚の遺作となった『お正月ざんす』です。この作品は彼の最後の読み切り短編として重要な位置を占めています。また、本書に収録されているコラムやインタビューも見逃せません。特に「はじめに」や「『花ちゃん寝る』を手伝っていた頃」は、漫画制作の裏側や赤塚の生涯について貴重な視点を提供しています。

まとめ

『夜の赤塚不二夫』は、漫画ファンにとっての必読書であり、赤塚不二夫の多彩な作品を通じて、彼のユーモアや独自の視点を堪能できる一冊です。彼の長いキャリアの中で埋もれていた作品たちを再発見し、その魅力に触れる良い機会となるでしょう。これからも赤塚の作品が多くの人に愛され続けることを願っています。

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