夜回り先生 (漫画)

『夜回り先生』は、小学館の『月刊IKKI』に連載されていた漫画作品です。原作は、実際に夜回り先生として活動していた水谷修氏の体験談に基づいています。この作品は、水谷氏がサンクチュアリ・パブリッシングから出版した同名の著書を基にしており、連載は2009年7月号まで続き、その後、書き下ろしを含めて全11巻として刊行されました。

概要

原作を水谷修氏、漫画を土田世紀氏が担当し、教育問題、児童虐待、薬物乱用、暴走族、万引き、いじめ、引きこもりなど、現代社会が抱える様々な問題に焦点を当てています。水谷氏は当初、「子どもたちとの大切な記録を単なる娯楽で汚されたくない」という理由から漫画化に反対していましたが、土田氏が描いた「ブランコ」を読んだことで考えを改め、漫画化を了承しました。その際、水谷氏は「亡くした子どもたちが、土田さんの絵を通して生き返ってくる。嬉しくて哀しくて涙で読めません。」という感動の言葉を帯に寄せています。

物語は、水谷氏が現役の高校教師だった頃の体験を基にしており、水谷氏以外の登場人物は全てゲストキャラクターとして描かれています。主な舞台は横浜市内です。

2012年4月、土田氏が急逝した際には、希望編の最新エピソードを執筆中でした。そのため、希望編では当該エピソードの代わりに追悼特集が組まれました。また、この作品はフランス語版も出版されており、海外でも高い評価を受けています。

書誌情報

水谷修（原作）・土田世紀（漫画） 『夜回り先生』 小学館〈IKKI COMIX〉、全11巻（シリーズ1～9巻、特別編1巻、希望編1巻）

ブランコ
2004年12月発売（「月刊IKKI」2004年12月号別冊付録"&HALF"）
2005年2月発売（単行本化）、ISBN 978-4091885616
1巻、2005年9月30日発売、ISBN 978-4091885852
「ブランコ」も収録
2巻、2005年11月30日発売、ISBN 978-4091885920
3巻、2006年4月28日発売、ISBN 978-4091883186
4巻、2006年11月30日発売、ISBN 978-4091883452
5巻、2007年4月27日発売、ISBN 978-4-091883643
6巻、2007年10月30日発売、ISBN 978-4-091883780
7巻、2008年2月29日発売、ISBN 978-4-091884008
8巻、2008年8月29日発売、ISBN 978-4-091884237
9巻、2009年1月30日発売、ISBN 978-4-091884343
特別編 さよならが、いえなくて、2009年5月29日発売、ISBN 978-4-091884572
「さよならが、いえなくて」（2000年、日本評論社刊）原作
希望編、2012年6月29日発売、ISBN 978-4091885852
「ありがとう」（2011年、日本評論社刊）原作

関連項目

月刊IKKI
水谷修
いじめ
虐待（児童虐待）
犯罪（少年犯罪）
薬物依存症

脚注

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