夜行 (結界師)

夜行（やぎょう）

田辺イエロウの漫画『結界師』に登場する夜行は、裏会の実行部隊の一つです。頭領は墨村正守、副長は刃鳥美希が務め、約100名の構成員が所属しています。

概要

夜行は、能力の使い方を知らない異能者を一時的に引き取り、教育する役割も担っています。裏会の中でも若い者や、既存の組織に馴染めない「はみ出し者」が集まる傾向にありますが、異能者同士で擬似的な家族のような温かい関係を築き、和気あいあいとした雰囲気で活動しています。比較的最近に生まれたばかりの新しい組織です。

現在は、裏会からの命を受け、烏森の監視を主な任務としています。しかし、裏会総本部、特に十二人会の一部からは、その存在を快く思われていないようです。組織の規則として、妖混じりが完全に変化することは禁止されています。構成員のほとんどは、夜行の本部、または烏森支部に居住しています（他の支部は存在しません）。

構成員の多くは頭領である墨村正守を深く慕っていますが、中には正守に対して不信感を抱いている者もいるため、一枚岩の組織とは言えない側面もあります。裏会総帥によって十二人会の幹部が次々と殺害された事件を受け、一時的に組織を縮小せざるを得ない状況にありました。しかし、裏会総帥による裏会崩壊事件後には、総帥の居城から保護された身元不明の人形たちの保護にもあたり、組織としての再建が進んでいます。

主要人物

墨村 正守（すみむら まさもり）
夜行の頭領。詳細は十二人会の項目を参照してください。

刃鳥 美希（はとり みき）
夜行の副長。20歳。緑色の髪が特徴的で、作者曰く「クールに見せて超クール」な性格。正守不在時には代役を務めるなど、非常に優秀な人物です。正守の身勝手な行動に怒ってストライキを起こすなど、時音に似た一面も持ち合わせています。夜行の予算を管理するなど、実務面でのリーダーシップを発揮しています。

黒羽（くろばね）
左腕に刻まれた模様から、羽状の矢のようなものを放出する能力を持ちます。この模様は染木文弥によって彫られました。貫通力を重視した能力で、大きさは自在に変えられます。また、巨大な羽を生成して落下速度を緩めることも可能です。

戦闘班

巻緒 慎也（まきお しんや）
戦闘班の主任。自身の影を立体化させて操る呪現化能力者です。影は物に触れることができ、糸のように形を変えて敵を拘束するなど、味方のサポートに徹します。アニメでは「影使いの巻緒」と自称しています。

志々尾 限（ししお げん）
妖混じりの少年。14歳。結界師の補佐役として烏森に派遣されます。統合型の妖混じりであり、完全に変化するとライオンのような姿になります。幼少期の辛い経験から人付き合いが苦手ですが、本来は真面目で優しい性格です。良守を庇い、火黒の攻撃によって命を落とします。

白道（はくどう）
剃髪の細身の青年。月刃（げっぱ）という皿状のカッターを生成して飛ばす能力を持ちます。黄道と共に行動することが多く、精神修行に励んでいます。正守からの信頼も厚いです。

黄道（おうどう）
剃髪のがっしりした体型の青年。炎陽玉（えんようぎょく）という、当たると大爆発を起こすエネルギーの光球を生成して飛ばす能力を持ちます。白道と共に行動することが多く、精神修行に励んでいます。炎陽玉は仲間が打って飛ばすこともあります。

八重樫 大（やえがし だい）
13歳の異能者。無口ですが、表情は豊かです。分身を作り出す能力を持ちますが、分身に実体はありません。攻撃手段は針です。

行正 薫（ゆきまさ かおる）
真面目な性格の苦労人。柄にオーラのようなものを纏わせて戦います。元々無道の部下でしたが、僻地の任務についていたため難を逃れました。

武光 喜朗（たけみつ よしろう）
大刀を使用する呪現化能力者。着物にメガネをかけた長髪の男性です。アニメでは「メガネ一刀流」と自称しています。

轟 大吾（とどろき だいご）
妖混じり。怪力を持ち、巨大な手裏剣や鉄球などを武器として使用します。アニメでは「ホームランの轟」と自称しています。

諜報班

細波 慧（さざなみ けい）
諜報班の主任（現在は暫定）。夜行の実質No.3。人の心を読める精神系能力者ですが、臆病な性格で、心を読めない相手を恐れる傾向があります。扇一郎に通じていた裏切り者でもあります。

翡葉 京一（ひば きょういち）
寄生型の妖混じり。左腕に寄生した植物型の妖を操ります。烏森の監視役として派遣されています。

影宮 閃（かげみや せん）
妖気の探知・分析に長けた少年。爪を伸ばす能力を持ちます。妖混じりとしては弱いため、前線に出られないことに劣等感を抱いています。細波とは師弟関係にあります。

秋津 秀（あきつ しゅう）
妖混じりの青年。背中から羽を生やすことができます。温厚な性格で社交性も高く、閃の補佐役を務めます。

箱田（はこた）（息子）
紙袋を被った青年。千里眼の能力を持ちますが、戦闘能力は皆無です。母が夜行で家事サポートをしている関係で、烏森支部にいます。

運送班

蜈蚣（むかで）
運送班の主任。口から出す黒い糸状のもので巨大なムカデを作り出す異能者。大量輸送をほぼ一人で担っています。

まじない班

染木 文弥（そめぎ ふみや）
まじない班の主任。呪刻師。まじないを紋様にして彫る能力を持ちます。

織原 絲（おりはら いと）
解呪師。まじないの解読や解除を得意とする少女。非常に恥ずかしがり屋ですが、染木に懐いています。

教育班

花島 亜十羅（はなしま あとら）
教育班の主任。妖獣使い。面倒見が良く、夜行における母親的な存在です。

烏森支部

烏森支部は、アパートを借りて夜行のメンバーが共同生活を送る場所です。

箱田（はこた）（母）
箱田の母。夜行烏森支部で家事などのサポートをしています。明るい性格で、息子を励ましています。

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