夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律

夜間課程を置く高等学校の学校給食に関する法律

概要

夜間課程を設置している高等学校の生徒の健康を守るため、昭和31年6月20日に施行されたこの法律は、授業日の夕食時に学校給食を実施することを定めています。この法律は、主に勤労学生の健康維持と学ぶ環境の向上を目指しているものです。

背景

戦後、日本では中学校を卒業した若者たちが家庭の経済的な理由などで高等学校に通うことができないという状況に直面していました。1948年からは、そのような学生のために定時制の高等学校が設けられ、彼らにも教育の機会が与えられました。この定時制の学校は、全日制の学校と同等の教育を提供し、大学進学資格も与えるというものでした。その結果、進学する定時制の学生が増加し、1952年には生徒数が約52万人に達しました。

しかし、特に夜間課程の生徒は、昼間働きながら授業を受けるために体力的に劣ることが明らかとなっていました。以前の研究によると、彼らの結核罹患率は非常に高く、また、生理的かつ心理的な成長段階においても健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されていました。加えて、授業後の食事が不規則であることが、さらなる健康問題を引き起こしていました。

このような背景から、保護者や教師たちは夜間課程の学生に向けた給食の実施を強く求めました。文部省もこの問題を認識し、改善を試みましたが、実現には時間がかかりました。最終的には、各党の協力によって法律が成立し、1956年に施行される運びとなりました。

法律の目的

この法律の第一条では、夜間学校給食の実施に必要な情報を定め、普及と充実を図ることが明示されています。また、勤労学生の健康的な成長を促し、国民の食生活の向上にも寄与することが狙いです。すなわち、学校給食法に基づく通常の給食とは異なり、こちらは生徒の健康維持を重視した法律であることが強調されています。

実施義務

この法律では、夜間課程を有する高等学校の設置者には、給食の実施に向けた努力義務が課されています。また、国や地方公共団体もこの給食の普及と健全な成長を後押しする責任があります。具体的には、学校側は必要な施設や設備の整備、教育に従事する職員の給与などの経費を負担する必要があります。

経費の負担

夜間学校給食に必要な経費は、設置者が負担する部分と生徒が負担する部分で分けられています。私立学校の場合、国も予算の範囲内で必要な経費を一部支援しています。このように、財政的なサポート体制も整えられています。

給食実施基準

給食の内容についても、文部科学大臣により基準が設けられています。栄養価や内容に関しては、弾力的な運用が許可され、生徒個々の状況や地域に合った形で適用されます。この基準は、全国的な平均値をベースにしているため、多様性に富んだ運用が可能です。

結論

夜間課程を置く高等学校における給食法は、勤労学生の健康を守るための重要な法律です。時代背景や生徒の状況に応じて、教育機会の公平を図ることを目的としており、今後も健康的な成長が促される環境の整備が求められています。

参考文献

• - 栃木県教育委員会事務局『教育月報』 1956年8月号
• - 文部科学省初等中等教育局地方課『教育委員会月報』 1957年

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