夢で会いましょう

書籍概要

『夢で会いましょう』は、著名な作家である村上春樹と糸井重里によるショートショート集です。本書は1981年11月25日に冬樹社から出版され、デザインは仲條正義が手がけました。その後、1986年には講談社から文庫化されましたが、単行本と文庫本で収録されている内容は異なることに注意が必要です。

本書の特色

本書のユニークな点は、片仮名の外来語をテーマにした競作形式であることです。村上と糸井はそれぞれの外来語に基づくショートショートを創作し、収録作品は五十音順に並べられています。この新しい試みは、二人の作風が融合し、独自の文学的世界を築いていることを示しています。

各作品の概要

村上が手がけた「パン」は、もともと1981年10月号の『早稲田文学』に「パン屋襲撃」というタイトルで発表された作品の改題版です。この作品は2013年には改稿され、絵本『パン屋を襲う』として新たに収録されました。

また、「オイル・サーディン」「スクイズ」「スター・ウォーズ」「チャーリー・マニエル」「ビール」の5編は、「ヤクルト・スワローズ詩集」という詩集から引用された詩として書かれています。これにより、村上はユーモアを交えた詩的表現を展開しており、その後も「ヤクルト・スワローズ詩集」の続編を書き続けています。

さらに、村上は文学賞の選考過程を風刺した作品「マット」を収めています。各作品が持つ独自の視点とスタイルは、読者に新たな視点を提供することでしょう。

他の収録作品

本書には「アンチテーゼ」というタイトルの作品も含まれていますが、これは1995年に平凡社から出版された『夜のくもざる―村上朝日堂超短篇小説』に収められている同名の作品とは異なるものです。

読者へのメッセージ

村上春樹と糸井重里が共同で生み出したこのショートショート集は、短いながらもその内容は深く、ユーモアに溢れています。外来語というテーマを通じて、言葉の持つ不思議さや、想像力の幅を感じられる一冊です。短編小説の新たな可能性を探求する彼らの創作は、読者に多くの刺激を与えてくれることでしょう。

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