夢回帰線 (アルバム)

アルバム『夢回帰線』の魅力

『夢回帰線』（ゆめかいきせん）は、シンガーソングライターさだまさしの1987年7月25日にリリースされた12枚目のオリジナルアルバムです。本作は「音楽の世界旅行」と題されており、世界各地を題材にした多彩な楽曲が収められています。このアルバムは、さだまさしの独特な視点を通じて、各地の文化や感情を描写しています。1990年には続編の『夢回帰線II』も制作されました。

アルバムの構成

収録されている楽曲は、さまざまな場所を舞台にした物語が展開されています。代表的な曲を以下に紹介します。

バニヤン樹に白い月 〜LAHAINA SUNSET〜

この曲は、ハワイのマウイ島に焦点を当てており、リゾート地の解放感や恋の物語を描いています。さだは過去にマウイ島を訪れ、「ラハイナ・サウンド・スタジオ」でレコーディングも行っていました。2023年のマウイ島の山火事でラハイナの町が焼失した際には、彼は深い悲しみを表現しました。

6ヶ月の遅刻 〜マリナ・デル・レイ〜

この曲は、ロサンゼルス近郊のヨットハーバーを舞台にした楽曲で、さだ自身が以前に発表した楽曲「渚にて」と関連しています。彼の作品が持つ情感が感じられる一曲です。

pineapple hill

ここでは、恋人と別れる女性の複雑な心理や思い出が獲物として描かれています。別れの痛みを独自の視点で表現するこの曲は、多くの共感を呼び起こす作品です。

シ バス パラ チリ 〜もしチリへ行くなら〜

原曲はチト・ファローによって作られた非常に有名な曲で、さだがカバーしました。故郷を離れた男性が、別れた恋人に対する切ない思いを歌った一曲です。

男は大きな河になれ 〜モルダウより〜

映画『次郎物語』の主題歌であり、スメタナの名曲を基にしています。映画全体のテーマにも関連し、さだはこの曲に詩を添え、日本的なアレンジを施しました。

時差（タイムラグ）〜蒼空に25¢〜

特急で恋人を迎えに行くという情景が描かれているこの曲は、ジャズ風味を感じるリズミカルな作品です。

回転木馬

ある離婚した父親が娘と過ごす一日を描いたこの曲は、親子の絆や愛情が表現されています。

東京 〜羽田空港〜

東京出身の恋人との別れを描いたこの曲では、空港での切ないシーンが描写されています。

風に立つライオン

アフリカで医療活動を行う日本人医師をテーマにしたこの曲は、実際の医師の人生をモデルにしています。生と死のテーマが大きく扱われ、深いメッセージが込められています。1990年のNHK紅白歌合戦にも出場しました。

参加ミュージシャンと編曲

本アルバムには、石川鷹彦や吉川忠英といった有名なミュージシャンが参加しています。編曲は、作品によって異なり、多様な音楽スタイルが楽しめます。

さだまさしの『夢回帰線』は、ただの音楽アルバムに留まらず、聴く者をさまざまな国や場所へと誘う音楽の旅といえるでしょう。このアルバムを通じて、多くの人々が新たな視点や感動を得ることができるはずです。

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