大三島町
愛媛県越智郡大三島町：歴史と変遷
大三島町は、愛媛県東予地方に位置し、芸予諸島の一つである大三島の西半分を占めていた町です。この地は、瀬戸内海の美しい自然に囲まれ、古くから人々の生活が営まれてきました。ここでは、大三島町の歴史、行政、産業、教育、交通について詳細に解説します。
歴史
沿革
大三島町の歴史は、明治時代の町村制施行に端を発します。
1889年12月15日：町村制施行により、越智郡に以下の3村が成立しました。
鏡村：肥海村、大見村、明日村が合併
宮浦村：宮浦村、台村が合併
岡山村：野々江村、口惣村、浦戸村、宗方村が合併
1955年3月31日：鏡村と宮浦村が合併し、町制を施行して大三島町が誕生しました。
1956年9月23日：大三島町が岡山村と合併し、新たな大三島町が発足しました。
2005年1月16日：今治市、菊間町、大西町、波方町、玉川町、朝倉村、吉海町、宮窪町、伯方町、上浦町、関前村との合併により、今治市となり、大三島町は自治体としての歴史を終えました。
大三島町の系譜
以下に大三島町の変遷を図示します。
（町村制実施以前の村） （明治期） （昭和の合併） （平成の合併）
町村制施行時
肥海 ━━━┓
大見 ━━━╋━━━鏡村 ━━━━━━━━┓昭和30年3月31日 昭和31年9月23日
明日 ━━━┛ ┃ 町制 合体
宮浦 ━━━┓ ┣━大三島町━━┳━━━━━━━━━━┓
┣━━━宮浦村━━━━━━━━┛ ┃ ┃
台 ━━━┛ ┃ ┃
野々江 ━━━┓ ┃ ┃
口総 ━━━┫ ┃ ┃
浦戸 ━━━╋━━━岡山村━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃
宗方 ━━━┛ ┃平成17年1月16日
┃新設合併、新・今治市発足
今治市━━━━╋━━今治市
朝倉村━━━━┫
玉川町━━━━┫
波方町━━━━┫
大西町━━━━┫
菊間町━━━━┫
吉海村━━━━┫
宮窪町━━━━┫
伯方町━━━━┫
上浦町━━━━┫
関前村━━━━┛
行政
歴代町長
菅良二（元今治市長）
奥本忠孝（最後の町長）
平成の市町村合併の経緯
大三島町は、隣接する上浦町、伯方町、吉海町、宮窪町とともに「三島五町」として知られ、越智郡の島嶼部で緊密な関係を築いていました。平成の市町村合併に際し、大三島町は以下の二つの選択肢を検討しました。
1. 三島五町で合併し、人口約3万人弱の町となる。
2. 三島五町を含む越智郡全体で、中心都市である今治市と合併し、人口約18万人となる。
しかし、吉海町には今治市との合併を望む声が多かったこと、また大三島町にとって今治市役所本庁が遠いという課題がありました。最終的には、行政力の強化のため、今治市との合併を選択しました。この合併は、町民にとって一抹の寂しさを感じさせるものではありましたが、大きな反対もなく受け入れられました。
産業
工業
大三島町には、以下の主要な工業施設がありました。
伯方塩業大三島工場：塩の製造を行っていました。
藤原造船所：フェリーなどの船舶を建造していました。
教育
高等学校
旧・愛媛県立大三島高等学校：現在は閉校しています。
日本ウェルネス高等学校本校：町内に本校を置いています。
中学校
大三島中学校：町内唯一の中学校です。
小学校
大三島小学校：町内唯一の小学校です。
交通
航路
フェリー：今治港との間に定期航路があり、島外との交通手段として利用されていました。
鉄道
町内には鉄道がありません。最寄りの駅はJR今治駅です。
道路
高速道路：町内には高速道路がありません。最寄りのインターチェンジは、隣接する上浦町にある西瀬戸自動車道の大三島インターチェンジです。
国道：町内には国道がありません。
県道：県道21号と県道51号が町内を通っています。
道の駅：しまなみの駅御島があります。
関連項目
愛媛県の廃止市町村一覧
* 大山祇神社
大三島町は、その歴史と文化を今治市の一部として受け継ぎ、新たな発展を続けています。この地を訪れる際は、瀬戸内海の美しい景観とともに、大三島町の歴史に触れてみてください。
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