大中臣頼行

大中臣頼行（おおなかとみ の よりゆき）は、平安時代中期に活躍した神官です。伊勢神宮祭主であった大中臣安則の八男として生まれ、神祇権大副にまで昇りました。

頼行は延喜20年（921年）に伊勢神宮の大宮司（第47代）に任ぜられました。当時、父である安則が祭主を務めており、父子が同時に伊勢神宮の重要な役職を担うという異例の事態となりました。この時、頼行の位階は正六位上であり、6年間大宮司を務めました。

承平3年（933年）には、斎宮の修造のために造斎宮使として伊勢国に派遣されました。斎宮は、天皇の名代として伊勢神宮に奉仕する皇女が住む場所であり、その修造は国家的な重要事業でした。頼行は、その責任者として派遣され、修造事業を監督しました。

また、神祇大祐在任中の天慶9年（946年）には、伊勢神宮、石清水八幡宮、貴布禰社の祟りの祈禳を命じられました。当時の社会では、天変地異や疫病の流行は神の祟りによるものと考えられており、その鎮静のために祈祷が行われました。頼行は、神祇官として、これらの神社の祟りを鎮めるという重要な役割を担いました。

さらに、村上天皇の大嘗会御禊には、神祇権大副として参列しました。大嘗会は、天皇が即位後初めて行う新嘗祭であり、国家的な重要儀式です。御禊は、その際に天皇が身を清める儀式であり、頼行は神祇官の役人として、この儀式に参列しました。

頼行は、大中臣氏の一員として、神祇官の要職を歴任し、伊勢神宮の祭祀や国家的な儀式に深く関わりました。彼の活動は、当時の社会における神祇信仰の重要性を示すものと言えるでしょう。

系譜
父：大中臣安則
母：不詳

生母不明の子女
男子：大中臣興本
男子：大中臣興種
男子：大中臣興身
男子：大中臣清通
男子：大中臣清平
男子：大中臣清基
* 男子：大中臣清光（?-?）

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