大中臣氏

大中臣[[氏]]：古代祭祀を担った名家の興亡

大中臣[[氏]]は、古代日本の朝廷において重要な役割を担った氏族です。「大中臣」を氏の名とする彼らは、代々祭祀を司る職務を受け継いできました。その歴史は、藤原氏との複雑な関係や、栄華から衰退へと至る過程と深く結びついています。

藤原氏との関わりと中臣[[氏]]の再興

中臣鎌足が藤原姓を賜った後、その子である藤原不比等は幼少であったため、鎌足の甥にして婿養子ともいわれる中臣意美麻呂が一時的に藤原氏を継承しました。しかし、不比等が成長すると、文武天皇の勅命により、藤原姓は鎌足の嫡男である不比等とその子孫のみに限定され、それ以外の者は中臣[[氏]]に復するよう命じられました。意美麻呂も中臣姓に戻りましたが、不比等の支援を受け、中納言にまで昇進しています。

意美麻呂の子である清麻呂は、天平宝字8年（764年）の藤原仲麻呂の乱において孝謙上皇に仕え、その功績により昇進を重ね、神護景雲3年（769年）には「大中臣朝臣」を賜りました。清麻呂は、正二位、右大臣という高い地位にまで上り詰めました。

平安時代の大中臣[[氏]]

平安時代に入ると、清麻呂の系統を嫡流とする「三門」と呼ばれる家々が、大中臣[[氏]]を名乗ることを許されるようになりました。清麻呂の系統は大中臣[[氏]]の中でも最も勢力を持ち、神祇伯や伊勢祭主を世襲しました。大中臣能宣、大中臣輔親、伊勢大輔といった人物は歌人としても知られており、文化面にも貢献しています。

しかし、平安時代中期には大中臣親定を最後に、大中臣[[氏]]が代々世襲してきた神祇伯の地位は衰え、白川家がその地位を継承するようになります。これに伴い、大中臣[[氏]]は伊勢祭主や神祇大副、地方有力神社の神職などを掌握するようになり、その勢力範囲は変化していきました。

江戸時代以降

江戸時代には、大中臣[[氏]]の嫡流子孫は藤波家を称するようになりました。この時代までに、大中臣[[氏]]はかつての輝きを失い、歴史の表舞台から姿を消していきます。しかし、彼らの歴史は、古代日本の祭祀制度や朝廷政治を理解する上で重要な鍵となります。

系譜と参考文献

大中臣[[氏]]の系譜は複雑であり、詳細な記録は現存する資料だけでは完全には解明されていません。彼らの歴史をより深く理解するためには、多角的な視点からの研究が必要です。本稿で紹介した情報に加え、系図や関連文献を参照することで、大中臣[[氏]]に関するより詳細な知識を得ることが出来るでしょう。下記に参考文献を挙げ、更なる探求を促します。

太田亮 著「国立国会図書館デジタルコレクション 大中臣　オホナカトミ」、上田, 萬年、三上, 参次 監修 編『姓氏家系大辞典』 第1巻、姓氏家系大辞典刊行会、1934年、1257-1261頁。
中村英重「中臣[[氏]]と家門」（所収:吉村武彦 編『律令制国家と古代社会の詳細』（塙書房、2005年））

これらの文献を参照することで、大中臣[[氏]]の歴史をより深く理解し、その繁栄と衰退の過程を考察することができるでしょう。

もう一度検索