大久保光康

大久保光康：サラブレッド一家に生まれた名騎手とその軌跡

大久保光康（おおくぼ みつやす）は、1943年兵庫県生まれの元騎手、元調教師です。競馬界において、その名を知らない者はいないと言っても過言ではない、名門一族の出身です。父は大久保亀治（亀吉）、祖父は大久保福松、兄は大久保正陽と、いずれも元騎手、元調教師という、まさにサラブレッド一家と言える経歴を持っています。

華麗なる騎手時代

1968年3月、父である大久保亀治の厩舎からデビュー。初騎乗は京都競馬場で行われたアラブ特別で、残念ながら17着という結果に終わりました。しかし、その年の6月、阪神競馬場で行われた障害競走で初勝利を挙げます。その後は平地競走に専念し、1969年には平地競走初勝利、そして初の特別競走勝利も飾ります。

1972年には、中京記念のエリモカップで重賞初制覇を達成。この勝利は、彼の才能を世に知らしめる大きな転機となりました。その後、大久保石松厩舎に移籍し、1973年には自己最多となる8勝を挙げました。

1974年には兄である大久保正陽の厩舎に移籍。寺田雅之や池添兼雄を弟弟子に迎え、ライバルとして切磋琢磨しながら、騎手としてのキャリアをさらに高めていきます。この年には、松田幸春から乗り替わったエリモマーチスで3連勝し、毎日杯を制覇する快挙を成し遂げました。皐月賞では9着と悔しい結果に終わりましたが、年末のCBC賞では3着と健闘を見せました。

その後も活躍は続き、11番人気という低評価を覆しての勝利や、2着馬に6馬身差をつける圧勝劇など、数々の劇的なレースを展開。1986年、札幌競馬場で行われた4歳未勝利戦を最後に騎手として引退しました。

新たな挑戦：調教師としての道

騎手引退後、1987年には調教師免許を取得し、1988年に開業します。調教師としては、1989年に初勝利を挙げ、同年は4勝を挙げました。しかし、3年目の1990年には引退を迎えました。

大久保光康の騎手、調教師としてのキャリアは、その華麗な戦績だけでなく、サラブレッド一家に生まれた彼の運命、そして父、兄との関係性、ライバルたちとの競争、様々な困難や喜び、そして競馬界への多大な貢献を物語るものです。彼の功績は、日本の競馬史に永遠に刻まれるでしょう。

主な騎乗馬

エリモカップ (1972年中京記念)
エリモマーチス (1974年毎日杯)
エリモジョージ
パッシングゴール

その他

大久保光康の騎手としての戦績、そして調教師としての経験は、多くの後進の騎手、調教師たちに大きな影響を与え続けています。彼の功績は、日本の競馬界において、これからも語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索