大久保勝

大久保 勝

1952年（昭和27年）9月22日、埼玉県入間郡名栗村に生まれた大久保勝氏は、日本の元政治家です。郷里である埼玉県飯能市において、市長職を二期務めたほか、市議会議員としても三期にわたり市政に携わりました。

その経歴は、生まれ育った名栗村から始まります。埼玉県立飯能高等学校を卒業後、大東文化大学経済学部経済学科で研鑽を積みました。大学を卒業すると、故郷の発展に貢献すべく、名栗村の役場に勤務しました。公務員として行政実務に携わる中で、地域社会への貢献への思いを一層強くしたと考えられます。

政治の世界に足を踏み入れたのは、2003年のことです。この年に行われた名栗村議会議員選挙に出馬し、見事に初当選を果たしました。村政の一員として活動を開始した矢先の2005年1月、歴史的な転換期を迎えます。長年暮らしてきた名栗村が、隣接する飯能市に編入されたのです。この合併に伴い、大久保氏は自動的に飯能市議会議員となりました。同年4月には、飯能市議会議員としての最初の選挙で再選を果たし、その後も連続して議席を獲得。2009年4月には三期目となる当選を果たし、飯能市議会議員として合わせて三期にわたり議会活動に従事しました。市議会議員として、合併後の新たな飯能市のまちづくりや地域課題の解決に尽力したことでしょう。

長年の地方議会での経験を積み、さらなる市政への貢献を目指し、2013年、飯能市長選挙への立候補を表明しました。市議会議員の任期満了を迎えた同年5月を経て、7月に行われた市長選挙に臨みました。この選挙では、当時の現職であり四期目を目指していた沢辺瀞壱氏（自由民主党・公明党推薦）と対決。激しい選挙戦の末、大久保氏は現職候補を破り、飯能市長の座を獲得しました。同年8月8日には飯能市役所に初登庁し、正式に第何代かとなる飯能市長に就任しました。

市長として一期目の任期を務めた後、2017年7月に行われた市長選挙で再選を目指しました。この選挙においても、自由民主党と公明党からの推薦を受け、盤石な体制で臨みました。対立候補としては、元市議会議長経験者を含む二人の新人が出馬しましたが、大久保氏はこれらの候補者を抑え、二期目の当選を果たしました。引き続き市政のかじ取りを担うこととなり、公約実現や市政発展に向けた取り組みを進めました。

二期目の任期満了に伴い、2021年7月の市長選挙に三期目を目指して立候補しました。この選挙でも自由民主党・公明党の推薦を得ましたが、元市議会議員であった新井重治氏との一騎打ちの末、残念ながら敗れ、落選しました。これにより、飯能市長としてのキャリアを終え、政治活動から身を引くこととなりました。

政治家としてのキャリアの一方で、大久保氏には学生時代から打ち込んできたスポーツがありました。それはレスリングです。学生時代は選手として活躍し、引退後も15年もの長きにわたり、レスリングの指導員として後進の育成に携わりました。この経験は、政治活動における体力や精神力、あるいは目標達成に向けた粘り強さといった側面に影響を与えた可能性も考えられます。

名栗村の議会議員として政治活動を始め、飯能市議会議員を経て、二期にわたり飯能市長として市政を牽引した大久保勝氏は、その生涯を通じて郷里の発展に貢献しました。レスリングへの情熱と政治家としての使命感を胸に、地域社会に尽力した人物と言えるでしょう。

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