大井成元

大井成元：陸軍大将の生涯

大井成元(おおい しげもと)は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本の陸軍軍人で、陸軍大将にまで上り詰めた人物です。1863年、山口県に生まれ、旧名は菊太郎でした。1881年、陸軍士官学校に入校し、1883年に卒業。その後、歩兵第14連隊に配属され、軍人としての道を歩み始めます。

陸軍士官学校時代の同期には、後に東京衛戍総督となる仁田原重行や、台湾総督兼台湾軍司令官を務めた明石元二郎、関東軍司令官となった立花小一郎など、錚々たるメンバーが名を連ねています。卒業後は歩兵第23連隊に所属し、小隊長を務めました。

1886年には陸軍大学校に入校し、1888年に卒業。その後、参謀本部出仕を経て、1890年にはドイツに留学、プロイセン歩兵第113連隊に配属され研鑽を積みます。帰国後は、日清戦争に従軍した経験も活かし、第2軍参謀や台湾総督府参謀を歴任しました。1896年には陸軍大学校教官に就任し、後進の育成にも携わりました。

その後も陸軍省で様々な要職を歴任し、陸軍少佐、陸軍省副官兼陸軍大臣秘書官などを務め、陸軍省総務局機密課長代理も兼務しました。1902年にはドイツ公使館に勤務、1903年には参謀本部へ戻り、歩兵中佐に昇進します。1905年には歩兵大佐に昇進、1906年には陸軍省軍務局軍事課長に就任しました。

1909年には陸軍少将に昇進、歩兵第19旅団長に就任。1911年には近衛歩兵第2旅団長、1912年には陸軍大学校長に就任し、軍の教育面にも大きな貢献を果たしました。1913年には名前を成元と改名しています。1914年には陸軍中将に昇進し、第8師団長に就任します。

第一次世界大戦終結後、1918年には第12師団長としてシベリア出兵に従軍、1919年には浦塩派遣軍司令官に就任しました。同年、陸軍大将に昇進。1920年に帰国後、軍事参議官に就任、1921年には男爵を授爵され貴族院議員にも選出されています。1923年には予備役編入となり、1924年には貴族院議員に就任、恢弘会会長にも就任しました。

1929年には後備役となり、1933年には退役しました。その後も、1940年には内閣参議を務めますが、同年、免職となります。1946年には貴族院議員を辞任し、公職追放処分を受けました。

戦後は故郷である山口県に戻り、銭湯の下足番として静かに余生を過ごしたと伝えられています。1951年に死去、多磨霊園に埋葬されました。1952年には追放解除がなされています。数々の勲章や外国勲章を受賞しており、その功績は高く評価されています。大井成元の生涯は、激動の時代を生き抜いた軍人としての道のりを示す、貴重な歴史資料と言えるでしょう。

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