大井町 (東京府)

大井町（おおいまち）

大井町は、かつて東京府荏原郡に存在した町で、現在の東京都品川区の南部に位置していました。その歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行時に大井村として始まったことに遡ります。その後、1908年（明治41年）に町制を施行し大井町となりましたが、1932年（昭和7年）には荏原郡全域が東京市に編入されたため、大井町は品川区の一部となりました。さらに1947年（昭和22年）には、品川区が荏原区と合併し、現在の品川区が設置されました。

歴史

沿革

1889年（明治22年）5月1日：町村制施行により、大井村が単独で村制を施行。
1908年（明治41年）8月1日：大井村が町制を施行し、大井町となる。
1932年（昭和7年）10月1日：荏原郡全域が東京市に編入。大井町の区域は品川区となる。
1947年（昭和22年）3月15日：品川区が荏原区と合併し、改めて品川区が設置。

人口

大井町の人口は、1920年から1930年の間に大きく増加しました。当時の人口は以下の通りです。

1920年：36,659人
1925年：58,619人
1930年：70,080人

地域

大井町は、多くの「字」によって構成されていました。1932年に東京市に編入された際に、これらの「字」は町名に変更され、さらに1963年には住居表示が実施されました。以下に主な「字」とその変遷を示します。

行政

町役場（関ヶ原）：東京市編入後は、品川区大井第一出張所が設置されました。
大井警察署（滝王子）：1928年9月1日に品川警察署から分離開設されました。

交通

鉄道

国鉄（現在のJR東日本）：
東海道本線（東北・京浜線）：大井町駅
目黒蒲田電鉄（現在の東京急行電鉄）：
大井町線：大井町駅
京浜電気鉄道（現京浜急行電鉄）：
本線：鮫洲駅 - 立会川駅 - 大森海岸駅

※1932年の東京市編入以前には、品鶴線（横須賀線、湘南新宿ライン）の西大井駅や東京臨海高速鉄道りんかい線の大井町駅は存在しませんでした。

道路

1号国道（京浜国道）：現在の国道15号

名所・旧跡

大井町には、歴史的な価値のある名所や旧跡が数多く存在しました。

鹿嶋神社（鹿嶋谷）：村社
水神社（水神下）
大森貝塚（鹿嶋谷）：1877年発見（現在の大井六丁目）
大井山弘福寺：現在の光福寺（鹿嶋谷）
来福寺（元芝）：延命桜で知られていました。
西光寺（倉田）
常林三昧寺（関ヶ原）
養玉院如来寺（篠谷）
天祖諏訪神社（北浜川・南浜川）
鮫洲八幡神社（御林町）
鮫洲川崎屋（御林町）：料亭
鈴ヶ森刑場跡（一本松）

出身・ゆかりのある人物

大井町には、様々な分野で活躍した人物がゆかりを持っています。

名川侃市：弁護士、衆議院議員、大井町会議員。広島県出身で、大井鹿島町（現在の品川区大井六丁目）に住んでいました。
和合英太郎：大日本製氷社長。広島県出身で、大井鎧町に居住していました。
児島惟謙：大審院長、貴族院議員、衆議院議員。現在の大井6丁目に居住していました。
押川方義：東北学院創立者、衆議院議員。最晩年を大井町の別宅で過ごしました。

関連文献

大井[町]]『大井町史』大井町、1932年。[NDLJP:1209587。

関連項目

東京都の廃止市町村一覧
* 大井実春

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