大使会議

大使会議：第一次世界大戦後の国際秩序

大使会議（仏: La Conférence des ambassadeurs）は、第一次世界大戦終結後の1920年1月にパリで設立された連合国の会議です。正式名称は「同盟および連合国の大使会議」と言い、大戦後の国際秩序を形成する上で重要な役割を果たしました。

概要

大使会議は、イギリス、フランス、イタリア、日本の4カ国で構成されていました。各国からは在仏大使とフランス外相が参加し、アメリカ合衆国はオブザーバーとして参加しました。事務局長はフランスの外交官が務め、議長は歴代のフランス外相が担当しました。

大使会議は、平和条約の執行とヨーロッパ諸国間の領土問題の仲介を主な目的としていました。その活動は、国際連盟が十分に機能するまでの間、大国の協調による国際秩序の維持に貢献しました。

しかし、国際連盟とは対照的に、大使会議は大戦前までの伝統的な列強政治の延長線上にあると評されています。そのため、国際協調の新たな枠組みを模索する動きとは異なる側面も持っていました。

主な活動

大使会議は、多くの領土問題の仲介に関与しました。以下はその主な例です。

チェシン・シレジア問題: ポーランドとチェコスロヴァキア間の領土紛争。
ヴィリニュス地方問題: ポーランドとリトアニア間の領土紛争。
クライペダ地方問題: ドイツとリトアニア間の領土紛争。

また、1923年には、ポーランド・ソヴィエト戦争によって生じたポーランド東部国境線を承認しました。同年には、イタリア・ギリシャ間のコルフ島事件の処理を国際連盟から要請され、対応にあたっています。

終焉

1925年のロカルノ条約調印後、大使会議の開催は徐々に減少していきました。そして、1931年または1935年に正式に廃止されました。その役割は、国際連盟の機能強化や新たな国際協調の枠組みの構築によって、徐々に代替されていったと言えるでしょう。

参加国

イギリス帝国
イタリア王国
大日本帝国
フランス共和国
アメリカ合衆国（オブザーバー）

参考文献

* マーク・マゾワー 著、中田瑞穂、網谷龍介 訳『暗黒の大陸——ヨーロッパの20世紀』未來社、2015年。ISBN 9784624112059。

大使会議は、第一次世界大戦後の国際秩序を理解する上で重要な要素です。その活動や役割を知ることで、20世紀初頭の国際政治の複雑さをより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索