大倉真隆

大倉真隆は、1925年（大正14年）に生まれ、1990年（平成2年）に生涯を閉じた日本の大蔵官僚です。大蔵事務次官、横浜銀行頭取を歴任しました。

生い立ちと学歴

大倉は、浜松中学校、今宮中学校を経て、第一高等学校に進学。第一高等学校では文甲をトップで卒業するという優秀な成績を収めました。その後、東京大学法学部政治学科を卒業しました。

大蔵省入省

1947年4月に高等試験行政科に合格し、同年5月に大蔵省に入省しました。大臣官房文書課に配属された後、大臣官房財務官室、米国オハイオ州立大学大学院留学を経て、横須賀税務署長などを歴任しました。

税制改正への貢献

大倉は、主税局で税制第一課長補佐、国際租税課長、総務課長を歴任し、税制改正に深く関与しました。特に、1975年から約3年間主税局長を務めた際には、国民に不人気な増税、新税（一般消費税）の導入の責任者となりました。これは、当時、財政再建のために必要とされた政策であり、大倉は国会答弁を無難にこなすことで、その導入を支えました。

大蔵事務次官として

1978年6月には大蔵事務次官に就任。この次官時代には、財政再建のため、一般消費税導入を大平正芳首相に初めて提言しました。これは、大倉が主税局総務課長時代から温めていた構想であり、フランスでの現地調査報告を基にしたものでした。

退官後

大蔵省退官後は、国民金融公庫総裁、日本輸出入銀行総裁、横浜銀行頭取、東京金融先物取引所専務理事などを歴任しました。これらの役職を通じて、日本の金融システムの発展に貢献しました。

同期入省者

大倉の入省同期には、吉田冨士雄らがいます。また、長岡實、田中敬、三重野康らは第一高等学校の同期生です。大倉が事務次官を務めていた際、主計局長は長岡が、主税局長は高橋元が務めました。

著書

大倉は、以下の著書を執筆しており、税法に関する深い知識を後世に伝えました。

「昭和42年全文改正印紙税法の詳解」
「印紙税法の註解」
「日米租税條約解説」
「資産再評価強制措置法解説 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の詳解」（平井廸郎と共著）
* 「竿灯の夜」


大倉真隆は、大蔵官僚として税制改正や財政再建に尽力し、その卓越した能力と手腕は、日本の経済政策に大きな影響を与えました。また、その著書を通じて、税法に関する知識を後世に伝え、日本の経済発展に貢献した人物として、後世に語り継がれています。

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