大光寺城

大光寺城について

大光寺城（だいこうじじょう）は、青森県平川市に位置した平城であり、その歴史は1217年に遡ります。この城は、曾我氏の一族によって築かれ、所在する地域の歴史的な舞台となりました。大光寺城は、時代を経て数回にわたり改修され、はじめは大光寺古館と呼ばれていました。

歴史的背景

大光寺城は建保5年（1217年）、平賀郡岩館から相州曾我氏一族の平広忠が入り、地頭代として城を築きました。曾我氏はその後、大光寺の本家と岩館の分家に分かれましたが、両者はそれぞれ北朝方と南朝方に属し、同族間で熱い争いが繰り広げられました。

戦国時代には、滝本重行がこの城の主となりましたが、弘前城の築城に伴って大光寺城は破却される運命を辿りました。近隣エリアには、高畑城や沖館城など、他にも多くの砦の跡が存在し、地域の防衛ネットワークを形成していました。

大光寺古館

大光寺古館は、11世紀初頭に曽我道性によって築城されました。この城は、鎌倉幕府が滅亡した際、安達高景らを受け入れましたが、岩館曾我光高らに攻め込まれ、連戦に敗れています。大光寺曾我氏は南朝の根城南部氏と戦いましたが、敗退し、最終的には滅亡しました。このことにより、大光寺古館は廃城となったと考えられます。

大光寺五日市館

大光寺五日市館は、大光寺の北西に位置し、安東秀光によって築かれたとされる城です。十三湊が大津波の影響で襲われた後、安東氏は拠点を大光寺に移します。後に大崎城主の葛西氏と結婚し、城主へと登りつめましたが、最終的には南部氏の支配下に置かれました。

大光寺新城

大光寺新城は、大光寺三村井に位置し、南部氏が支配するようになると北信愛が城主となります。滝本重行がその後任となり、城は発展を見せましたが、1575年には津軽為信の軍に攻められ、幾度とない戦闘を経て、最終的には滅ぼされる事態に陥りました。

この時期、周辺の城の主たちも連合を組み、大規模な軍事行動を通じて激しい戦いが繰り広げられましたが、天正4年には城は陥落し、城主は南部に逃亡します。以降、大光寺城はさまざまなごたごたを経て1576年には破壊され、その資材が弘前城などに流用されました。

城の構造

大光寺城は本丸、二の丸、北の郭、東郭、小館から構成されていましたが、現在では遺構はほとんど消失しています。元あった堀や土居は埋まってしまい、周囲の土地は宅地や畑に転用されています。かつての繁栄を想起させる名残がわずかに残るのみです。

おわりに

大光寺城の歴史は、地域の政治的な変遷や著名な戦国武将たちとの関係に根ざしており、今なお多くの研究者たちの注目を集めています。青森県の歴史を紐解く上で、大光寺城は重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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