大光院 (太田市)

大光院の概略

大光院（だいこういん）は群馬県太田市金山町に位置する浄土宗の寺院であり、その山号は義重山で、正式名称は義重山大光院新田寺と呼ばれます。また、「子育て呑龍（こそだてどんりゅう）」や「呑龍様（どんりゅうさま）」という通称でも親しまれています。この寺院は東上州三十三観音特別札所、並びに群馬七福神の一つである弁財天の寺院でもあります。

さらに、航空機の愛称「呑龍」は中島飛行機で開発された一〇〇式重爆撃機に由来し、その名は大光院の通称から取られています。

歴史

慶長16年（1611年）3月、徳川家康は一族の繁栄と天下の平和、新田義重の霊前への供養を目的とした菩提寺の建立を計画しました。家康はこの件について芝増上寺の観智国師と相談し、太田金山南麓が菩提寺の適地として選ばれました。その後、呑龍上人が招聘され、寺院が創建されました。境内裏には新田義重と呑龍上人の墓があり、伝説によれば新田義重は法然上人に帰依したとされています。

時が経つにつれ、家康は陣痛で倒れた友人たちの遺物をこの地に移し、明治時代には浄土宗の管長として教団の近代化に尽力した日野霊瑞が住職を務めました。

子育て呑龍

呑龍は、多くの子どもが間引かれ、多くが亡くなる時代に、そうした子どもたちを抱え育てたことで「子育て呑龍」と称されました。地元の「上毛かるた」では、「お」の札に「太田金山　子育て呑龍」と記されています。また、太田市の歌にも「すこやかな幼子の命見守る呑龍さま」という歌詞があり、地域の人々に親しまれています。

逸話

大光院の正門である吉祥門は、徳川家康の大坂城落成の日に完成したという逸話があります。この背景は多くの人々に語り継がれています。

伽藍の特徴

建設は慶長17年（1612年）に始まり、各地から選ばれた名工たちによって、1年後の春に竣工しました。大正時代の第66世住職である千野學誠は老朽化を心配し、伽藍の大規模改修工事を行いました。

本堂

本堂は御霊屋造りで、南向きに配置されています。中央には本尊の阿弥陀三尊像が安置されており、阿弥陀如来立像は安阿弥作とされ、脇侍の観音菩薩と勢至菩薩像は運慶の作と伝えられています。また、右側には家康の位牌、左側には義重の位牌が安置され、堂内には歴代の位牌も並んでいます。

開山堂

開山堂には呑龍の尊像が祀られており、元和8年（1622年）に自ら像を立て、開眼を行いました。非常に重要な歴史的建造物です。

大方丈と小方丈

大方丈は南向きで、内部には徳川家の先祖が祀られています。小方丈は北向きで、教団の活動拠点としても知られています。

その他の建物

茶間、庫裡、土蔵、穀廩などの建物も残っており、それぞれに独自の役割を果たしています。

行事とアクセス

大光院では新年祈願会や節分会、春季故信講祈願会などの行事が盛んに行われています。アクセスは東武鉄道太田駅から徒歩20分、また北関東自動車道の太田桐生ICから約10分で到達できます。

周辺には八瀬川の桜並木や、廃止された動物園などがあり、訪れる人々を楽しませています。

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