大内弘盛

大内弘盛

大内弘盛（おおうち ひろもり）は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、周防国（現在の山口県）で勢力を誇った武士であり、大内氏の第17代当主です。

生涯

平安時代末期

後白河院の院政期、周防国は法皇の知行国でした。治承元年（1177年）の鹿ケ谷の陰謀に際し、弘盛は多々良盛保、盛房、忠遠らと共に連座し、伊豆、常陸、下野、安房へと流罪に処されました。しかし、治承2年（1178年）には罪を赦免され帰国。これにより、弘盛は周防国内において重きをなす存在となっていきました。寿永年間以降、弘盛は大内介、権介を称するようになります。

源平合戦

源平合戦においては、平氏追討軍を率いる源範頼らに周防国を前線基地として提供し、源氏に味方することで、国内における自身の地位を確固たるものとしました。壇ノ浦の戦い後には、在庁官人（地方行政を担う役人）の最高権力者としての地位を確立。法皇によって周防国に派遣された重源の国務行為を、地頭と共に妨害したとされています。これは、中央からの支配を排除し、在地勢力としての自立を目指した行動と見ることができます。

子孫への継承

弘盛の死後、大内介の地位は子孫によって代々継承されていくこととなり、大内氏は周防国における有力な武士として、その勢力を拡大していくことになります。

参考文献

防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月。
復刻 御薗生翁甫 著「付録 新撰大内氏系図」、田村哲夫編修 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修（復刻版）、マツノ書店、1980年11月。

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