大内田茂士

大内田茂士の生涯

大内田茂士（おおうちだ しげし）は、1913年に福岡県朝倉郡大福村に生まれた日本の洋画家です。彼は1994年に亡くなるまで、多くの作品を残し、芸術界において広く知られる存在となりました。また、日本芸術院の会員としても活動しました。

学歴と初期の活動

大内田は1931年に福岡県立朝倉中学校を卒業した後、浜哲雄に画家になることを勧められました。その後、高島野十郎の指導を受けることになります。若干23歳の時には、朝倉郡宝珠山小学校の代用教員として働く一方、翌年に上京し、東京新宿絵画研究所で本格的に絵画の勉強を始めます。

戦争とその後

1942年、彼の作品「静物」が国展に入選し、1943年には「隈」が文展に入選するなど、次第に作家としての名声が高まります。しかし、1944年には応召され、台湾にて終戦を迎えました。

戦後の1949年には、父の教え子であった森部隆の支援を受け、後援会が結成されます。これにより、大内田の芸術活動は新しい段階に進んでいきます。また、彼は示現会の創立に参加し、日展の審査員・評議員としても活躍しました。

受賞歴と評価

1984年には、「秋の卓上」という作品が日展の内閣総理大臣賞を受賞し、1988年には日本芸術院賞および恩賜賞を受けるなど、数々の名誉を得ます。さらに、1989年には日展の理事に就任し、勲四等旭日小綬章を受賞しました。1990年には日本芸術院の会員となり、彼の業績がさらに広く認められることとなりました。

独自のスタイル

大内田は、実は美術大学や絵画専門学校で専門的な教育を受けていなかったため、ほとんど独学で油絵の技法を習得しました。そのため、彼の作風は非常に独特で、「日展の異端児」と呼ばれることもありました。彼の作品は、従来の技法やスタイルにとらわれない自由な発想によって生まれたもので、多くの人々に影響を与えました。

図録と展示

大内田の作品や功績を振り返るには、いくつかの図録が存在します。1995年には「大内田茂士回顧展」が甘木歴史資料館で開催され、2004年には「大内田茂士展 生誕90年記念」が福岡県立美術館で行われました。

まとめ

大内田茂士は、その独自の表現力と技術をもって日本の洋画界に大きく貢献した画家です。彼の作品は、今もなお多くのアーティストや観覧者にインスピレーションを与え続けています。彼の人生と作品は、日本の洋画史において重要な位置を占めています。

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