大円寺 (杉並区)

大圓寺（だいえんじ）について

大圓寺は、東京都杉並区和泉に所在する曹洞宗の寺院で、泉谷山を山号としています。本尊は釈迦如来で、特に薩摩藩島津家の菩提寺として知られています。この寺院の歴史は約400年前に遡り、重要な文化財と共に、多くの人々に信仰されています。

歴史

大圓寺は、慶長2年（1597年）に徳川家康の命により、櫻田溜池に香華院として建立されました。開山は諦巌桂察和尚で、彼は武田氏の家臣である土屋氏の子孫です。この開基の縁を受けて、飯野藩保科氏の菩提寺としても格式を持つようになりました。創設時には、五井、松平、坂井、本多、土方などの旗本家に檀徒として名を連ねられました。その後、慶長11年頃に芝伊皿子（現・港区三田）に移転されました。

重要な行事

延宝元年（1673年）には、薩摩藩の世子である島津綱久の葬儀が大圓寺で行われたことが、薩摩藩との縁を深めるきっかけとなりました。この影響で、調所広郷や天璋院付きの老女幾島など、薩摩藩の家臣やその縁者の墓も建立されました。明治維新後には、いくつかの動乱や変革があり、特に廃仏毀釈の影響で寺院は一時衰退したものの、1908年に現在の場所に移転しました。

境内・墓地

大圓寺の境内には、さまざまな墓所が点在しています。山門には葵紋が、また本堂には十字紋が施されています。明治元年の戊辰戦争で亡くなった戦死者の墓や、日向都城主である島津筑後守の墓、儒学者である横山正太郎と安武の墓なども存在し、これらは徳川家及び島津家にゆかりのある重要な歴史を物語っています。

文化財

大圓寺は、区指定の文化財を有しています。特に、所蔵する板碑群は有形文化財に指定されており、すべて阿弥陀一尊が彫られています。これらは南北朝時代（1357年から1409年）に造立されたもので、特に希少な存在とされています。また、板碑は鎌倉道に沿った伝承との関連性もあるとして注目されています。これらの文化財は高度な歴史的価値を持ち、多くの訪問者を魅了しています。

まとめ

大圓寺は、東京都内に位置しながらも歴史の深さと文化的価値を併せ持つ寺院です。曹洞宗の安らぎを体感できる場所として、信仰の場であると同時に、歴史を学ぶ貴重な機会を提供しています。観光や訪問を通じて大圓寺の魅力を感じてみることをお勧めします。

所在地は東京都杉並区和泉3-52-18です。

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