島津綱久

島津綱久（しまづ つなひさ）

島津綱久は、江戸時代前期の薩摩藩における重要な人物です。第二代藩主である島津光久の長男として生まれ、藩の世子という重要な立場にありました。

生涯

寛永9年（1632年）4月、島津綱久は薩摩藩主・島津光久の嫡男として誕生しました。母は正室の曹源院殿（伊勢貞豊の娘）です。正室には、伊予松山藩主・松平定頼の娘である真修院殿を迎えています。側室については記録が残っていません。

慶安4年（1651年）、第四代将軍徳川家綱から「松平」の名字と「綱」の一字を賜り、松平薩摩守綱久と称するようになりました。これは、彼が光久の後継者として期待されていたことを示しています。しかし、父・光久が長命であったため、綱久は延宝元年（1673年）2月に42歳でこの世を去りました。藩主となることなく、父に先立つ形で早世したのです。彼の死後、家督は長男の綱貴が継ぎました。

逸話

綱久は、薩摩藩の剣術流派である示現流の宗家師範家である東郷氏とも深い関わりがありました。東郷重利に子が生まれた際には、その誕生を祝福し、その子である実満に会うことを望んでいましたが、それは叶わずに亡くなったと伝えられています（示現流聞書喫緊録付録系図）。

系譜

父: 島津光久（1616年 - 1695年） - 薩摩藩第二代藩主。
母: 曹源院殿（1615年 - 1658年） - 伊勢貞豊の娘。
正室: 真修院殿 - 松平定頼の長女。
長男: 島津綱貴（1650年 - 1704年） - 薩摩藩第三代藩主。
長女: 酒井忠隆正室（1654年 - 1682年） - 若狭小浜藩主・酒井忠隆に嫁ぐ。
次男: 六七（1658年 - 1659年） - 夭折。
三男: 島津久季（1661年 - 1734年） - 加治木島津家を継ぐ島津久薫の養子となる。
次女: 勝姫（1668年 - 1708年） - 下野壬生藩主・鳥居忠英の正室となる。

まとめ

島津綱久は、薩摩藩の世子として生まれながらも、藩主となることなく早世しました。しかし、その生涯は、藩の将来を担う重要な人物として、また、示現流との関わりなど、興味深い逸話を残しています。彼の血筋は、後の薩摩藩を支える人々へと受け継がれていきました。

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