大出俊 (政治家)

大出俊（おおいで しゅん）

プロフィール

大出俊は、1922年3月10日に神奈川県横浜市で生まれ、2001年11月8日に亡くなった日本の政治家です。正三位、勲一等の位階と勲章を授与されています。日本労働組合総評議会（総評）副議長、衆議院議員（11期）、日本社会党国会対策委員長、衆議院懲罰委員長、郵政大臣などを歴任しました。

生い立ちと労働運動

旧制浅野綜合中学校、逓信官吏練習所を卒業後、横浜鶴見郵便局に勤務しながら労働組合活動に身を投じました。全逓信労働組合（全逓）本部書記長や副委員長、総評副議長を歴任。この間、郵政大臣時代の田中角榮と知遇を得ました。

政治家としての活動

1963年、第30回[[衆議院議員総選挙]]で日本社会党公認として旧神奈川県第1区から初当選。その後、11回当選を重ねました。1976年の選挙区分割後は、旧神奈川県第4区から出馬しました。1986年には社会党国会対策委員長に就任し、1991年まで務めました。同年、衆議院懲罰委員長にも就任しています。

1993年の細川連立政権では、小選挙区制導入に反対し、社会党委員長村山富市を支持。細川内閣退陣後は、自社さ連立政権の樹立に尽力しました。1994年には村山内閣で郵政大臣として初入閣。1995年、勲一等旭日大綬章を受章。1996年の衆議院議員総選挙には出馬せず、政界を引退しました。

政策と主張

大出俊は日本社会党を代表する論客の一人として、ロッキード事件やダグラス・グラマン事件などの疑獄事件を衆議院予算委員会で厳しく追及しました。その追及はしばしば審議をストップさせ、「国会の止め男」と呼ばれるほどでした。大韓航空機撃墜事件でも、政府の公式報告書の誤りを指摘し、生データの公開を実現させました。

社会党内では右派グループに属し、社会主義インターナショナルのシンパであり、現実主義者として評価されていました。また、新東京国際空港（現・成田国際空港）の一坪共有地の名義人の一人でもありました。

外交・安全保障

石橋政嗣や上田哲と並び、社会党における安全保障問題の論客でした。社会党が野党時代に非武装中立を主張していたのに対し、与党入り後は現実的な対応を示しました。大出自身も、1993年にTHAADの導入を事実上是認する質問を行っています。しかし、1994年のルワンダPKO派遣では、自衛隊員の機関銃装備に反対しました。

文教・科学技術

母校である浅野学園の同窓会長を務めていた際、記念誌にゆとり教育の必要性を訴えましたが、結果的に私立高校が躍進し、公立高校の学力低下を招いたという指摘もあります。

人物像

トレードマークは縦縞のスーツでした。

全逓信労働組合時代に田中角榮と出会い、時には対立しながらも互いを認め合う関係を築きました。田中が郵政大臣時代、労組幹部であった大出は、労使の立場で対立することもあったものの、田中は労組幹部である大出を秘書官に起用しようとしました。また、政界では国会対策委員長として自民党との間に太いパイプを築き、それが後に自社さ連立政権樹立のきっかけとなりました。

親族

二男の大出彰も政治家として、衆議院議員などを務めました。彰の妻は、総務庁長官などを務めた政治家の山口鶴男の娘です。

関連人物

楢崎弥之助（「国会の爆弾男」）
永田寿康（「平成の爆弾男」）
長妻昭
西田昌司
飛鳥田一雄

関連項目

政権構想研究会

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