大分県道205号臼杵坂ノ市線

大分県道205号臼杵坂ノ市線：臼杵と大分を結ぶ道の歴史

大分県道205号臼杵坂ノ市線は、大分県臼杵市と大分市を繋ぐ重要な一般県道です。県南地域と県庁所在地である大分市を結ぶ役割を担い、地域経済や生活に貢献しています。しかし、この道路の歴史は、単なる一般県道とは異なる、興味深い経緯を辿っています。

有料道路からの転身：臼杵坂ノ市有料道路

かつて、急峻な御所峠を越える既存の県道205号線は、通行に困難が伴う路線でした。この課題を解決するため、1978年11月14日、大分県道路公社によって『臼杵坂ノ市有料道路』が開通しました。この有料道路は、既存の県道205号線の西側に並行して建設され、臼坂トンネルなど3本のトンネルによって、山地をショートカットする設計となっています。総延長7.2km、総事業費72億6000万円という大規模なプロジェクトでした。

当初、有料道路としての料金徴収期間は30年間（1978年11月14日～2008年11月13日）と計画されましたが、実際には2002年12月1日に無料化され、同区間が県道205号に編入されました。この無料化は、地域住民にとって大きなメリットとなり、交通の利便性が向上しました。

路線データと歴史的変遷

起点: 大分県臼杵市大字藤河内（国道217号交点）
終点: 大分県大分市大字坂ノ市（大分県道38号坂ノ市中戸次線交点）

2023年3月22日には、一部区間（中須賀橋東交差点～臼杵市大字藤河内）が県道指定から解除されました。これに伴い、4月1日には起点を変更、中須賀橋東交差点～臼杵市大字江無田区間は県道21号大分臼杵線に、臼杵市大字江無田～臼杵市大字藤河内区間は市道臼杵坂ノ市線に変更となりました。この変更は、道路管理体制の見直しによるものです。

臼杵坂ノ市有料道路の施設

臼杵坂ノ市有料道路は、畑トンネル(146m)、横岩トンネル(445m)、そして最長の臼坂トンネル(1674m)の3本のトンネルから構成されています。これらのトンネルは、1977年に竣工。建設期間は1972年12月から1978年11月までと、長期に渡る大規模な工事でした。

地理的特徴と周辺環境

県道205号は、臼杵市と大分市を通過し、日豊本線と交差します。沿線には、臼杵市立北中学校、臼杵市立下北小学校、大分市立坂ノ市中学校などの教育機関も立地しています。また、標高の高い御所峠を越えるルートという地理的特徴も持ち合わせています。

まとめ

大分県道205号臼杵坂ノ市線は、有料道路として誕生し、無料化を経て、現在に至るまで地域住民の生活道路として重要な役割を果たしています。その歴史と現状、そして周辺環境を知ることで、この道路の持つ意義をより深く理解できるでしょう。将来的には、交通量の増加や道路整備の進展に伴い、さらなる変化も予想されます。

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