大分県道217号臼杵津久見線

大分県道217号臼杵津久見線：歴史と自然が織りなす道

大分県道217号臼杵津久見線は、大分県臼杵市から津久見市へと続く一般県道です。臼津バイパスが開通するまでは国道217号の一部でしたが、1972年（昭和47年）3月、バイパスの完成に伴い、現在の路線番号に指定換えされました。全長は比較的短く、海沿いの区間や山間部など、変化に富んだ地形を通過します。

起点と終点、そして歴史

起点は大分県臼杵市港町東、大分県道33号臼杵停車場線との交差点です。一方、終点は津久見市大字上青江、国道217号との交差点（上青江交差点）であり、同時に大分県道648号津久見インター線も起点となります。

この路線の歴史は古く、かつては主要な国道の役割を担っていました。昭和初期には、複数のトンネルが建設され、交通の利便性向上に貢献しました。しかし、老朽化や災害による被害も経験しており、幾度かの改修工事を経ています。特に、下浦トンネルは2013年（平成25年）の天井崩落事故により通行止めとなりましたが、翌年には修復され、無事に開通を迎えました。2016年（平成28年）の大雨では、大泊～徳浦間が全面通行止めとなりましたが、同年11月には通行止め規制が解除されました。

路線状況と特徴的な地形

臼杵市側からの起点付近は大分県707号大泊浜徳浦線との信号交差点があり、その後は海沿いの2車線道路が続きます。制限速度は時速40kmに設定され、安全運転を促す黄色いセンターラインが設置されています。しかし、市街地を抜けると1車線区間も現れ、ヘアピンカーブが続くなど、道幅が狭く、運転には注意が必要です。

臼杵市と津久見市の境には臼津峠があり、そこには歴史を感じる素掘りの臼津トンネルが存在します。このトンネルは高さ制限3.7mと低いため、大型車の通行には注意が必要です。徳浦の信号交差点を過ぎると、セメント工場を通り抜け、下浦トンネルを過ぎると、国道217号との交差点、すなわち終点に到着します。

主要な道路施設と地理

この路線には、いくつかのトンネルが点在しています。臼津隧道（延長332m、1948年竣工）、徳浦トンネル（延長62m、1936年竣工）、下浦トンネル（延長154m、1936年竣工）、そして水晶山トンネル（延長497m、1997年竣工）などです。これらのトンネルは、山間部における交通の確保に重要な役割を果たしています。

地理的には、海沿いの平坦な区間と、山間部の険しい区間が混在しています。海岸沿いは比較的走りやすい一方、山間部は狭隘な道路区間や急カーブが多く、運転には細心の注意が必要です。

周辺環境と交通

この路線は、日豊本線と交差しており、東九州自動車道津久見ICにも比較的近接しています。沿線には、セメント工場などの産業施設や、住宅地、そして自然豊かな場所が点在しています。

まとめ

大分県道217号臼杵津久見線は、歴史的にも、地理的にも変化に富んだ道路です。昭和初期のトンネル群や、海沿いの美しい景観、そして山間の険しい道など、ドライブ愛好家にも魅力的なルートとなっています。しかし、狭隘区間や急カーブなども存在するため、安全運転を心がけることが重要です。この道路は、地域住民の生活を支える重要な役割を担っており、今後もその機能を維持していくことが求められます。

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