大原英二

大原英二：激闘の将棋人生

大原英二（1929年1月10日 - 2001年7月13日）は、高知県出身の将棋棋士である。1951年、アマ名人戦で高知県代表として活躍した後、郷里の先輩でもある野村慶虎七段に入門。4級からスタートし、地道な努力を重ねた。

1956年、27歳でプロ入りを果たす。それから始まるプロ生活は、決して順風満帆ではなかった。しかし、大原は持ち前の粘り強さと積極的な棋風で、数々の激戦を制してきた。

特に注目すべきは、1959年度の第14期C級2組順位戦である。最終局で佐藤大五郎に勝利し、内藤國雄との接戦を制してC級1組への昇級を決めた。この勝利は、大原の潜在能力の高さを示すものとなった。続く1963年度には、第7回古豪新鋭戦で決勝に進出し、佐伯昌優に惜しくも敗れ準優勝という好成績を残した。

1963年度の第18期C級1組順位戦では、開幕から7連勝を記録。最終的に9勝2敗の好成績で1位となり、35歳にして自己最高のB級2組へ昇級を果たした。この昇級は、長年の努力の結晶であり、大原にとって大きな転機となったことは間違いない。

その後も、名棋戦や名将戦など、様々な棋戦で活躍。名将戦予選では、谷川浩司を破るなど、実力を証明した。1979年度には、早指し将棋選手権で予選を突破し、本戦でも1勝を挙げている。

大原の棋風は、居飛車党として知られ、矢倉、角換わり、対振り飛車急戦を得意とした。常に積極的で、激しい攻めを仕掛けるスタイルは、多くの将棋ファンを魅了した。その一方で、粘り強く辛抱強く戦う一面も持ち合わせていた。

1990年、現役を引退。通算成績は295勝523敗。勝率は決して高くはないものの、数々の激戦を経験し、多くの棋士と対戦した経験は、大原の将棋人生を豊かに彩った。

昇段履歴は以下の通りである。

1951年：4級（入門）
1953年：初段
1956年：四段（プロ入り）
1960年：五段（順位戦C級1組昇級）
1964年：六段（順位戦B級2組昇級）
1974年：七段（贈七段）
* 1990年：引退

主な成績としては、第7回古豪新鋭戦準優勝などがある。また、1980年には現役勤続25年表彰を受賞している。

大原英二は、決してタイトルを獲得したわけではないが、その激しく粘り強い将棋人生は、後世の棋士たちに大きな影響を与えたことは間違いないだろう。彼の棋譜は、今もなお多くの将棋ファンに語り継がれている。

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