佐藤大五郎

佐藤大五郎九段：豪快な棋風と詰将棋の第一人者

佐藤大五郎九段(1936年10月19日-2010年9月1日)は、北海道函館市出身の将棋棋士です。渡辺東一名誉九段を師事し、力強い棋風と、類まれな詰将棋の才能で知られていました。

プロ入りからタイトル挑戦まで

8歳から将棋を始め、16歳でアマチュア名人戦北海道代表となった佐藤九段は、1954年に1級で渡辺東一名誉九段に入門。1957年、四段としてプロ入りを果たします。

その後、順調に昇級を重ね、1960年には五段、1961年には六段に昇段。1965年には王位戦でタイトルに挑戦するも、大山康晴名人に敗れ、タイトル獲得とはなりませんでした。しかし、王位リーグには計8回出場するなど、タイトル戦線でも活躍しました。また、1964年には最強者決定戦で準優勝という成績を残しています。

順位戦での活躍と棋士生活

順位戦では、1972年にA級に昇級を果たし、トップクラスの棋士として活躍。その後、B級に降級するものの、1978年には再びB級1組に復帰しました。

佐藤九段の棋風は「薪割り流」と呼ばれ、力強い攻めが特徴でした。その豪快な棋風は、多くの将棋ファンを魅了しました。一方で、1974年の棋聖戦では、中原誠名人にわずか10手で敗れるという珍しい試合もありました。これは体調不良によるものだったと伝えられています。

1977年には名棋戦で優勝。優勝を記念して「名棋戦優勝・佐藤大五郎」と記された名刺を作成し、配ったという逸話も残っています。

詰将棋への情熱と晩年

佐藤九段は詰将棋の創作でも高い評価を得ており、第一人者として数多くの問題集を出版しました。その作品は初心者から上級者まで幅広く愛され、生涯で10冊以上の問題集を世に送り出しました。幼少期、周囲に将棋を指せる相手がいなかったことから、一人で楽しめる詰将棋に強い愛着を持っていたといいます。

しかし、一部の著作では、他の作家からの剽窃疑惑に関する記述も見られます。晩年は慢性腎不全を患い、1996年に59歳で現役を引退。2010年9月1日、73歳で亡くなりました。

主要な成績

通算成績：552勝659敗
タイトル戦：王位挑戦1回
棋戦優勝：名棋戦1回

主要な著書

無敵四間飛車
矢倉はずしの振飛車
中段飛車宇宙戦法
ジュニア詰め将棋
鬼手妙手〈必至〉精選120

佐藤大五郎九段は、その豪快な棋風と類まれな詰将棋の才能で、将棋界に大きな足跡を残しました。彼の功績は、今も多くの将棋ファンに記憶されています。

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