大口喜六

大口 喜六（おおぐち きろく）

大口喜六は1870年6月23日、三河国の豊橋藩船町（現在の愛知県豊橋市）で生まれました。幼名は理一郎、号は蓊山です。彼は東京帝国大学で薬学を専攻し、卒業後には故郷に戻り薬局を開きました。政治家としての道を歩むことを決意し、1893年に改進党に加入しました。

主な業績として、1895年には豊橋町議に選出され、1898年には三浦碧水の後を受け継いで豊橋町長に就任しました。1906年には市制を施行し、初代市長として選ばれ、1907年から1912年にかけて豊橋市長を務めました。彼の市長在任中は市の発展に寄与しました。

また、大口喜六は1912年から1942年にわたって衆議院議員として活動し、10期にわたってその地位を保持しました。この間、複数回豊橋市長に再任されています。特に1914年から1916年、1938年から1940年の期間では市の運営に関わりました。

彼の政治活動は時に物議を醸し、1927年には議会乱闘事件に関与したとして調査を受けましたが、彼はただ声を上げただけとして不起訴となりました。さらに、1930年には濱口内閣の金解禁政策に反対し、石橋湛山や小汀利得、高橋亀吉らと共に全国を巡る遊説を行いました。

1940年には国民更生金庫が設立され、その理事長に任命され、実業界にも関与していきました。1942年の翼賛選挙では、大政翼賛会の推薦を受けて再選を果たしましたが、その後、戦後に公職追放となりました。追放が解除された後の1953年には、豊橋市の名誉市民としての地位を得ます。

1957年1月27日、彼は生涯を閉じました。この間、彼は二連木城址に邸宅を建設し、その後この場所は大口公園として市民の憩いの場になっています。彼の業績と影響は、今なお多くの人々によって語り継がれています。大口喜六は、地域社会における政治と市民生活の向上に尽力した重要な政治家の一人です。

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