大同府

大同府は、中国にかつて存在した行政区画であり、現在の山西省大同市一帯に位置していました。この地域は、遼代から民国初年にかけて、様々な王朝によって統治され、その都度名称や管轄範囲が変更されました。以下に、その詳細な歴史を解説します。

遼代における大同府

1044年（重熙13年）、契丹（きったん）によって雲州が昇格し、大同府と改称されました。同時に、西京としての役割も担うことになり、西京道に属しました。当時の大同府は、大同、雲中、奉義、天成、長青、懐仁、懐安の7県と、弘州に属する永寧、順聖の2県、さらに徳州に属する宣徳県を管轄していました。これにより、大同府は政治的にも重要な地域となりました。

金代における大同府

金代に入ると、西京大同府は西京路に属するようになりました。この時期には、大同、雲中、天成、白登、懐仁、懐安、宣寧の7県に加え、奉義、安七疃、窟竜城の3鎮を管轄していました。金の統治下においても、大同府は引き続き重要な行政区画としての役割を果たしていました。

元代における大同路

1288年（至元25年）、元朝によって西京大同府は大同路と改められました。この時、大同路は中書省に属し、録事司と大同、白登、宣寧、懐仁、平地の5県、弘州、渾源州、応州に属する金城、山陰の2県、朔州に属する鄯陽、馬邑の2県、さらに武州、豊州、東勝州、雲内州の合わせて1司5県8州州領4県を管轄する広大な地域を治めていました。元代には、大同府から大同路へと名称が変わりましたが、依然として重要な行政拠点としての地位を維持していました。

明代における大同府

1369年（洪武2年）、明朝により大同路は大同府と再び改められました。この時、大同府は山西省に属し、直属の大同、懐仁の2県と、渾源州、応州に属する山陰県、朔州に属する馬邑県、蔚州に属する広霊、広昌、霊丘の3県、合わせて4州7県を管轄しました。明代には、大同路から再び大同府へと名称が戻り、管轄地域も変更されました。

清代における大同府

清代には、大同府は山西省に属し、大同、懐仁、山陰、陽高、天鎮、広霊、霊丘の7県と、渾源州、応州の2州を管轄しました。清代においても、大同府は地域を統治する重要な役割を担っていました。

大同府の終焉

1913年、中華民国が成立すると、大同府は廃止されました。これにより、大同府の長い歴史は幕を閉じ、新たな行政区画へと移行していきました。

まとめ

大同府は、遼代から民国初頭にかけて、様々な王朝の統治下で名称や管轄地域を変えながらも、常に重要な地域であり続けました。その歴史は、中国の行政制度の変遷を理解する上で重要な事例の一つと言えるでしょう。大同府の変遷を辿ることで、地域の歴史や文化への理解を深めることができます。

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