朔州

朔州（さくしゅう）

朔州は、中国にかつて存在した州であり、現在の山西省朔州市一帯に位置していました。その歴史は南北朝時代に始まり、民国初年まで続きます。

概要

555年（北斉の天保6年）に北斉によって朔州が設置され、州治は新城県に置かれました。しかし、557年（天保8年）には州治が招遠県に移されました。

北周の時代には、朔州総管府が設置され、招遠・神武・岢嵐・蔚汾・長寧・雲中の6県を管轄しました。しかし、607年（隋の大業3年）に隋によって州が廃止され郡が置かれると、朔州は馬邑郡と改称され、善陽・神武・雲内・開陽の4県を管轄することとなりました。

621年（唐の武徳4年）には、唐によって馬邑郡は再び朔州と改められました。742年（天宝元年）には再び馬邑郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には再び朔州と改称されました。この時期の朔州は河東道に属し、善陽・馬邑の2県を管轄しました。

936年（後晋の天福元年）には、後晋を建国した石敬瑭が契丹（遼）に燕雲十六州を割譲したため、朔州は契丹の領有となりました。

遼によって朔州には順義軍節度が置かれました。遼の朔州は西京道に属し、鄯陽・寧遠・馬邑の3県と武州を管轄しました。

金の時代には、朔州は西京路に属し、鄯陽・馬邑の2県を管轄しました。

元の時代には、朔州は大同路に属し、同じく鄯陽・馬邑の2県を管轄しました。

明の時代には、朔州は大同府に属し、馬邑県を管轄しました。

清の時代には、朔州は朔平府に属しました。

1912年、中華民国によって朔州は廃止され、朔県と改められました。

その他の朔州

歴史上、他の地域にも朔州が存在しました。

後趙の朔州

後趙の石勒が朔方郡を平定した際に、朔州が置かれました。

北魏の朔州その1

現在の内モンゴル自治区フフホト市一帯に設置された朔州です。北魏の太武帝の時代に置かれましたが、524年（正光5年）に雲州と改称されました。

北魏の朔州その2

現在の内モンゴル自治区包頭市一帯に設置された朔州です。北魏によって漢の五原郡の地に置かれた懐朔鎮を前身とします。孝昌年間、懐朔鎮は朔州と改められました。この朔州は太安・広寧・神武・太平・附化の5郡と13県を管轄しましたが、北周の時代に廃止されました。

西魏の朔州

現在の甘粛省慶陽市一帯に設置された朔州です。西魏によって置かれましたが、北周の時代に廃止されました。

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