東勝州

東勝州（とうしょうしゅう）とは

東勝州は、中国の歴史に名を残す行政区画であり、遼代から明代初期にかけて、現在の内モンゴル自治区トクト県およびジュンガル旗北東部にまたがる地域に存在しました。

歴史

その起源は隋代に遡ります。600年（隋の開皇20年）に、楡林県に置かれた勝州がその前身です。勝州は、隋の大業年間と唐の天宝年間に楡林郡と改称されましたが、間もなく勝州の名前に戻されました。

916年（契丹の神冊元年）、契丹の指導者である耶律阿保機が振武軍を破ると、勝州の住民は河東へと逃れ、勝州は一時的に廃止されました。しかし、936年（後晋の天顕11年）に、後晋が燕雲十六州を契丹に割譲すると、契丹によって再び勝州が設置されました。その後、遼によって勝州は東勝州と改称されました。東勝州は西京道に属し、楡林と河浜の2県を管轄しました。

金の時代になると、東勝州は西京路に属し、東勝県と寧化鎮を管轄下に置いていました。

1265年（元の至元2年）、モンゴル帝国は寧辺州を廃止し、その一部を東勝州に編入しました。1267年（至元4年）には、東勝県と録事司が廃止されました。元代において、東勝州は大同路に属し、属県は持っていませんでした。

1371年（明の洪武4年）、明朝は東勝州を東勝衛と改めました。1392年（洪武25年）には、東勝衛は東勝左衛・東勝右衛・東勝中衛・東勝前衛・東勝後衛の5つの衛に分割され、山西行都指揮使司の管轄下に入りました。しかし、翌年には中衛・前衛・後衛が廃止されました。1403年（永楽元年）には、左衛が北直隷の盧龍県に、右衛が北直隷の遵化県に移され、後軍都督府に直属することとなり、衛城は空となりました。1438年（正統3年）に東勝衛が再び置かれましたが、後に廃止されました。

このように、東勝州は時代の変遷とともに、その姿を変えながら歴史の中に名を刻みました。

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