大和雪原

大和雪原（やまとゆきはら）

大和雪原は、南極に位置する地域名であり、その名は探検家の白瀬矗によって名付けられました。彼は1912年1月に南極探検を行い、この土地を記録に残しました。大和雪原は、白瀬が南極点を目指す過程で設立した拠点の近くに位置しており、彼の探検の重要な地点となっています。

発見と命名の経緯

白瀬は1912年、開南丸でロス棚氷に接近し、クジラ湾の近くにある小さな湾を開南湾と名付けて停泊しました。そして、彼は氷河に登って本拠地を設置しました。1月20日、彼と4人の隊員は南極点を目指して出発しましたが、目標には達せず、最南端では北緯80度05分00秒、西経156度37分00秒に至りました。その地に日章旗を掲げた白瀬は、周囲の広大な雪景色を「大和雪原」と命名し、日本領とすることを宣言しました。

ただし、白瀬の探検の後、他の日本の探検隊が続けて派遣されることはなく、大和雪原の範囲は明確ではありません。また、後の調査により、大和雪原はロス棚氷の南方に所在することが判明しました。白瀬は氷の上に降り立つことができたものの、土地の岩石を持ち帰ることができなかったことを深く悔恨したと言われています。

領有権の問題

南極探検後、白瀬は1931年と1938年に日本政府に寄付願いを出しましたが、政府は南極地域の領有に消極的な姿勢を示しました。1942年にはイギリスがロス海の領有権を主張し、日本の反応が求められましたが、日本の外務省は領土取得には実効的な措置が必要であると答弁しています。白瀬は、第二次世界大戦後も南極における日本の領有権確立を求める書簡を送り続けましたが、最終的には1951年のサンフランシスコ平和条約により、日本の南極地域に対する領有権は放棄される結果となりました。

大和雪原の正式名称

大和雪原は、もともと日本の探検記録において発表された名称でしたが、2012年6月、国立極地研究所南極地名委員会は白瀬の探検100周年を記念して正式にこの地名を採用しました。この決定は南極観測統合推進本部により承認され、国際的な地名登録にも反映されました。現在このエリアは「大和雪原」として公式に認識され、南緯80度05分00秒、西経156度37分00秒がその位置として記載されています。

読み方と確認

大和雪原の読み方には「やまとせつげん」という誤った読み方も存在しますが、白瀬の公式記録である『南極記』では「やまとゆきはら」と表記されています。正式な地名として採用された際にも「やまとゆきはら」という読み方が使用されています。

参考文献

• - 神沼克伊『地球環境を映す鏡 南極の科学』講談社
• - 国立極地研究所の資料
• - 南極探検後援会『南極記』

このように、大和雪原は日本の南極探検の象徴的な場所であり、探検史上重要な位置を占めています。

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