大型ミリ波望遠鏡

大型ミリ波望遠鏡（LMT）

大型ミリ波望遠鏡（Large Millimeter Telescope, LMT）は、メキシコ中央部のシエラネグラ山山頂、標高4600メートルという非常に高い場所に建設された、口径50メートルを誇る電波望遠鏡です。この望遠鏡は、メキシコの国立天文光学電子工学研究所（INAOE）とアメリカのマサチューセッツ大学が共同で運用しており、ミリ波帯の電波を観測することで、宇宙の様々な現象を研究しています。

建設の経緯

1997年に建設場所が決定し、山頂へのアクセス道路の整備や基礎工事が開始されました。そして、2006年10月22日には、Xバンドでの最初の観測（ファーストライト）が行われ、落成式典が開催されました。その後、鏡面の精度を測定したり、駆動系の試験を行ったりして、観測体制を整えてきました。

この望遠鏡は、短ミリ波と呼ばれる波長の電波を観測できる望遠鏡としては、日本の国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45メートル電波望遠鏡を上回り、世界最大の口径を誇ります。

観測装置

LMTには、星間分子が出す電波を観測するためのヘテロダイン受信機が3種類搭載されています。これらは、SEQUOIA、赤方偏移観測システム、1mm帯SIS受信機と呼ばれています。また、星間塵が放射する電波を観測するための連続波受信機が2種類搭載されています。これらは、AzTECとSPEEDと呼ばれています。

これらの観測装置の中で、SEQUOIAは、日本の5大学電波天文台の14メートル電波望遠鏡に、AzTECは、ハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル[[望遠鏡]]に搭載され、既に観測が行われています。

研究内容

LMTは、ミリ波帯の電波を観測することにより、星や惑星が生まれる現場である星形成領域や、宇宙の初期に存在した銀河、そしてブラックホールなど、さまざまな天体の研究に貢献しています。特に、これまで観測が難しかった、遠くの銀河や暗い天体を詳細に観測することにより、宇宙の進化の謎を解明することを目指しています。

関連分野

• - 天文学: 宇宙の構造や進化、天体の物理的性質を研究する学問。
• - 電波天文学: 電波を用いて天体を観測する天文学の一分野。
• - 望遠鏡: 天体を観測するための装置。
• - 電波望遠鏡: 電波を観測するための望遠鏡。

外部リンク

• - The Large Millimeter Telescope

LMTは、その高い標高と大きな口径により、これまでにない高感度な観測を実現し、宇宙の謎の解明に大きく貢献することが期待されています。

もう一度検索