大塩駅

大塩駅：姫路大学の玄関口としての進化

兵庫県姫路市大塩町に位置する山陽電気鉄道本線の駅、大塩駅は、1923年（大正12年）8月19日の山陽電気鉄道の開業と同時に誕生しました。長い歴史の中で、幾多の変遷を経てきました。当初はシンプルな地上駅でしたが、利用者の増加や特急列車の運行状況の変化に伴い、段階的な改良工事が行われ、現代の利便性の高い駅へと進化を遂げています。

歴史を刻む、大塩駅の歩み

開業以来、大塩駅は幾つかの企業合併や組織再編を経験しました。神戸姫路電気鉄道、宇治川電気、そして山陽電気鉄道と、その歴史は沿線地域の発展と軌を一にしています。1930年には上下追越設備が設置され、運行効率の向上が図られました。戦後には急行停車駅となり、さらに1968年には特急停車駅に指定されるなど、重要な役割を担うようになりました。

駅舎の改築やホームの延伸も、時代のニーズに応じた重要な取り組みでした。1987年には駅舎が改築され、1997年には3番線ホームが延伸されました。2013年には事故による運休を経験しましたが、迅速な復旧作業により、通常運行に復帰しています。

近年では、2020年3月、近隣にキャンパスを置く姫路大学が命名権を取得し、「姫路大学前」という副駅名が加わり、大学の学生や教職員にとって、より身近な存在となりました。そして2021年には橋上駅舎化が完成、2022年には上りホームの延伸により、長年問題となっていたドアカットが解消されるなど、駅としての機能が大幅に向上しました。

駅構造と利用状況

大塩駅は島式ホーム2面4線の地上駅です。橋上駅舎の完成により、改札外通路は南北自由通路を兼ねるようになり、利便性が向上しました。各ホームへは階段とエレベーターが設置され、バリアフリーにも配慮されています。ホームの長さは上り下り共に6両対応で、快適な乗車環境が整備されています。

かつてはホームの長さが短く、特急列車の6両化に伴いドアカットが実施されていましたが、2022年のホーム延伸により解消されました。この延伸工事は、構内踏切の撤去と駅舎の橋上化工事と同時に進められ、駅周辺の交通流の円滑化にも貢献しています。

2008年11月11日の調査によると、大塩駅の乗降者数は約4,766人でした。山陽特急の一部停車駅である荒井駅よりも利用者数は少なく、明石以西の特急停車駅の中では最少です。

駅周辺の環境

大塩駅周辺には、スーパーマーケット、神社、公園などの生活施設に加え、姫路大学、小学校、中学校など教育機関も集積しています。静かな住宅街と活気ある商業施設が調和した、落ち着いた雰囲気の地域です。

具体的には、トーホーストア大塩店（2024年11月6日閉店予定）、大塩天満宮、日笠山公園、のじぎく自生地、大塩郵便局、複数の寺院、姫路市立大塩小学校、姫路市立大的中学校、高砂市立北浜小学校、そして姫路大学（旧賢明女子学院短期大学）などがあります。

隣の駅

大塩駅の隣の駅は、特急・直通特急停車駅では高砂駅と飾磨駅、S特急・普通列車では山陽曽根駅と 的形駅です。ラッシュ時の直通特急は、荒井駅と白浜の宮駅が隣接駅となります。

まとめ

大塩駅は、歴史と進化を続ける駅です。長い歴史の中で培ってきた経験と、近年の積極的な改良工事によって、利用者にとってより快適で便利な駅へと生まれ変わりました。今後も、地域社会のニーズに応えながら、その役割を担い続けていくでしょう。

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