大学セミナー・ハウス

大学セミナーハウスとは

大学セミナーハウス（Inter-University Seminar House）は、関東地方の複数の大学、企業、研究会などがセミナーや研修に利用する施設です。1999年には日本の近代建築20選に選ばれ、2017年には本館が東京都選定歴史的建造物に指定されるなど、その建築的価値も高く評価されています。

歴史的背景

1960年代、大学紛争が激化していた時代に、国際基督教大学の職員であった飯田宗一郎氏が、都内の主要大学の学長たちを説得し、大学連合組織による共同運営という形で設立されました。1965年に八王子市下柚木に開館し、当初は大学共同セミナーが中心的な役割を担っていました。しかし、参加学生数の減少に伴い、2003年を最後に大学共同セミナーは開催されなくなりました。その後は、学生、大学教職員、社会人などを対象とした、大学セミナーハウス主催の様々なセミナーが開催されています。

現在の正式名称は、公益財団法人大学セミナーハウスです。創立当時の各大学の学長や総長の氏名は、セミナーハウス内の施設や地名に残されています。「セミナーハウス」という言葉は、飯田氏による造語です。

施設の特徴

セミナーハウスの施設設計は、当時早稲田大学教授であった吉阪隆正氏とU研究室が担当しました。施工は清水建設が行っています。施設の拡張に伴い、設計は数期に分けて行われました。開館20周年記念館は、吉阪氏が他界していたため、U研究室のみで設計されました。近年の留学生会館とさくら館は、他の設計者が担当しています。

特徴的なデザインの本館は、地面に三角形の楔を打ち込んだような外観をしており、その独特な形状から、テレビ特撮番組『ウルトラマン』で科学特捜隊基地のモデルとして使用されました。また、その他にも多くのテレビ番組でロケ地として利用されています。

運営体制

大学セミナーハウスは、会員大学・短期大学が運営資金を寄託し、公益財団法人大学セミナーハウスが運営を行っています。会員校の枠を超え、全国の大学生や短期大学生が参加できる大学共同セミナーの開催が活動の中心です。会員大学の教員からなる運営委員会が組織され、その中から毎年、共同セミナーの企画・運営を担当する委員が選出されます。

第1回の共同セミナー運営委員は、東京工業大学教授（当時）であった永井道雄氏でした。近年では、当施設の共同セミナー出身の作家、篠田節子氏も運営委員として参加しています。2018年3月31日現在の理事長は、元東京都立大学総長の荻上紘一氏、館長は元中央大学学長で中央大学名誉教授である鈴木康司氏が務めています。

また、大学セミナーハウスに縁のある教職員、元学生による定期的な寄付によって、施設の運営を支援する活動を「千人会」と呼んでいます。

外部リンク

公式サイト

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